Special Talks September 8th 13:30-15:30
男女共同参画社会に向けた今日の政策課題
岡田 恵子
内閣府 男女共同参画局 局長
講演概要男女共同参画や女性活躍の促進に向けた施策についての説明と今後の方向性について講演する。包括的な話題の後、科学技術分野に関する施策について、具体的に紹介する。
略歴1990年(平成2年)京都大学経済学部を卒業し、同年旧経済企画庁へ入庁。経済企画庁調査局、横浜市経済局、法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学政策創造研究科教授、内閣府大臣官房政府広報室参事官、(財)連合総合生活開発研究所、内閣府男女共同参画局総務課総務課長、外務省大臣官房審議官などを経て、2022年7月から現職。
女子中高生への理系進路支援~「継続・育成型STEAMガールズ in SAGA 」取組紹介~
荒木 薫 先生
佐賀大学ダイバーシティ推進室副室長
講演概要イノベーションの創出により社会課題を解決するためには、研究のダイバーシティの確保が重要である。特に日本では、諸外国と比べて理工系の女性研究者・技術者の人数が少ないため、女性人材を増やし活躍の場を拡げることが重要である。しかし、理工系分野における女子大学生の割合は、OECD加盟国の中で日本は最も低く、「理系進路」を選ぶ女子生徒の育成が重要視されている。中高生にとって、大学進学や将来の職業に直結する文理選択は重大事項であるが、理系教科の得意・不得意、性別役割分担意識など保守的かつステレオタイプな意見、生徒の内的な価値観などから、女子生徒が「理系進路」を選ばない傾向がある。
この状況を打開するため、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、女子中高生・教職員・保護者を対象に理系進路選択への理解を促す事業を実施する高等教育機関を支援するため「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」を開始した。佐賀大学は本プログラムに2018年度より採択され、これまで2144名の西九州地域の女子中高生・教職員・保護者を対象に、理系進路選択支援事業を実施している。本事業は、特に保守的な安定志向が強い地方における理系志向女子の教育として注目を集めており、その役割は、理系進路選択支援にとどまらず、中高大接続、女性のキャリア支援、大学・大学院生教育、地域課題解決、大学広報と多岐に渡っている。
本講演では、理系女子支援を必要とする現状や、「継続・育成型STEAMガールズin SAGA」の企画内容、成果、課題等を共有し、これからの次世代育成について皆さんで考える1つの機会としたい。
略歴長崎県佐世保市生まれ。佐賀大学医学部医学科、同大医学研究博士課程卒業、博士(医学)、小児科専門医、産業医。小児科医として佐賀県内の病院を勤務した後、2017年より佐賀大学ダイバーシティ推進室の副室長、2019年より同大保健管理センター助教に着任し、大学内のダイバーシティ推進や女性研究者支援、感染予防教育、健康管理等を行っている。2018年からは、県内大学や自治体と「継続・育成型STEAMガールズin SAGA」を立ち上げ、県内女子中高生や保護者や学校教員に科学や理系進路の魅力を伝えている。令和2年度「佐賀さいこう表彰(女性活躍推進部門)」受賞。