計測と制御 Vol.64. No.1
表紙
JSTAGE からオンラインで閲覧できます
(掲載から 1 年は計測自動制御学会 会員の方のみ)
特集:植物工場技術の進化
1990年以来33年の期間に植物工場は国策に組み込まれ,研究拠点が建造されて営業稼働する植物工場は全国で約240施設に達している.
2009年の助成事業により,それまで実業界主導で展開してきた植物工場事業はアカデミアに設置された研究拠点を中心に産業化を支援するようになり植物工場における生産技術の進化が加速した.
環境制御に生産対象となる植物の生体情報をフィードバックして最適栽培環境制御を実現する手法であるSpeaking Plant Approach (SPA)が1980年代に提唱されて以来,植物の環境応答を普遍化して伝達関数で表現することや生体計測技術の開発などが進められてきた.
植物は複数の環境要因が影響する複合環境の中で成長すること,環境応答が非常に緩慢で,かつ時変システムであるため植物の応答システムを同定することが困難であるためSPAの実現は困難であった.
2009年の助成事業から14年が経過した現在ではこの問題を克服する事例も見られるようになってきた.
そこで今回,植物工場に関連する先端技術を解説すると共に植物工場の事例を示すことにより,本会会員の多くにとって未知と予想される植物生産における計測と制御に関して解説することを目的とする.
計測と制御 Vol.64 No.1 目次
[巻頭言] 新しい価値の共創を目指すSICEの役割とプレゼンスの向上に向けて [PDF]
佐藤 智典(三菱電機)
リレー記事 FACE the future《第72回》筋電義手の制御からシステム開発へ [PDF]
岡田 梨紗子(日本光電)
特集 植物工場技術の進化
[総 論] 植物工場の現状と課題,植物工場研究の将来展望 [PDF]
伊藤 博通(神戸大)
[キーワード解説] 特集:植物工場技術の進化
伊藤 博通(神戸大)
[解 説] 施設生産に実装される光合成機能評価~クロロフィル蛍光画像計測とオープンチャンバCO2収支計測~
高山 弘太郎(豊技大/愛媛大)
[解 説] 時計遺伝子による生育制御
福田 弘和(大阪公立大)
[解 説] 深層学習を用いた萎れ検出AIによる高糖度トマト生産
峰野 博史(静岡大)
[解 説] データ駆動型農業のための植物フェノタイピング
岡安 崇史(九州大/高知大)
[解 説] 農業施設における CO2 施用の現状と制御の高度化に向けた取り組み
安武 大輔(九州大/高知大)
[事例紹介] AIによる植物工場の未来 バリューチェーン効率化とスマートアグリプラットフォーム
宇佐美由久(ファームシップ)
[編集後記] 伊藤 博通(神戸大)[PDF]
伊藤 博通(神戸大)