計測と制御 Vol.62. No.9
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特集:制御工学の発展・応用を支えるソフトウェア・ベンチマーク問題
制御工学分野において,制御システムのモデリング・解析・設計などに利用できるソフトウェアとライブラリは,効率的な研究の遂行,迅速なラピッドプロトタイピングのために欠かせない.そのようなソフトウェアとしては,Mathworks社のMATLAB/Simulinkおよび制御関連Toolbox群が広く知られているが,オープンソースソフトウェアも開発されている.
今日,日々新しい制御理論が発表されている.これらの最先端の制御理論を,他者が手元の問題に適用してみたい場合,制御理論の開発者らがコードを公開していなければ,自分ですべてコードを書く必要があり,非常に手間がかかる.一方,一部の研究者は,発表した制御法をMATLAB/Simulinkから利用可能なツールボックスなどの形で公開しており,幅広い問題へ適用できる土壌を整えているケースもある.
これらのソフトウェアやライブラリ(ツールボックス)が広く使われるためには,ヘルプドキュメントや適用例を示す適切な例題も併せて整備されている必要がある.例題としては,過去に公開され幅広く知られているベンチマーク問題からシステムモデルや仕様(の一部)が流用されることも多い.また,ベンチマーク問題自身,共通の問題設定のもとで,様々な制御理論を駆使した制御システムの性能を比較・検証する土壌をあたえ,新たな課題の発見等につながり,制御理論のさらなる発展を図るうえで重要といえる.
本特集号では,制御工学分野の発展・応用を支えるソフトウェア・ベンチマーク問題に焦点をあて,それらのいくつかを紹介する.
計測と制御 Vol.62 No.9 目次
特集 制御工学の発展・応用を支えるソフトウェア・ベンチマーク問題