計測と制御 Vol.62. No.2
表紙
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(掲載から1年は計測自動制御学会 会員の方のみ)
特集:医療支援におけるAI技術の活用
あらゆるモノが簡単にインターネットへ接続できる現代では,IoT技術を活用したセンシングシステムが幅広い分野で活用されている.特に人手不足が深刻な医療や福祉分野での発展はめざましく,遠隔医療やみまもり,介護支援においては多くの研究開発の成果が実用化されてきている.さらに,これらのセンシングシステムはコロナ禍における感染対策としても期待されており今後も需要の高まりが予想される. また,このようにして得られたデータに対し人工知能を活用することにより,従来の統計処理だけでは考えられなかった多くの成果が得られるようになった.しかし,そこで紹介される事例は海外のものが多く国内に関する事例は稀であった.これはデータの整備や法制度および医師の働く環境などが諸外国に比べ不利であったためだが,現在はデータの整備が進み,個人情報に関する取り扱いなどにもある程度の合意が形成されたことにより,各地で研究や開発が進んでいる.医療に関する計測データの活用という面では国内の動きは着目すべきものがある. 本誌では2020年4号で「保険医療・介護における人と情報技術の未来」,2019年7号で「医療画像の基礎と新展開」,2006年11号で「医療・バイオ関連の計測制御技術」という特集を組んでおり,学会員の医療に関する関心は高いと言えるが,AIに特化した特集はない.特に,近年のAIの発展により,これまでとは精度や規模が異なる研究事例が増加しているため,本特集により,この分野における知識のアップデートの機会を提供したい. 本特集では,ゲストエディタおよび編集担当委員の研究パートナーや関連学会における研究者や企業の研究事例をベースに,医療データや医療の現場を対象にした人工知能の活用について,国内においてどのような取り組みが行われているかを外観し,また研究の障害となっているものは何かを検討することで,今後の本分野における発展にむけての課題を探る.
計測と制御 Vol.62 No.2 目次
特集 医療支援におけるAI技術の活用