2023年度計測自動制御学会フェロー紹介
研究・開発・教育啓蒙・管理運営その他の活動を通じて,本会の関与する分野の学問技術の発展に顕著な功績のあった会員を顕彰するために設けられた「フェロー制度」による第35回のフェローを決定し,9月8日,三重大学 三翠ホール(SICE 2023会場)にて,淺間 一君,小笠原 司君,申 鉄龍君,野田哲男君,増田士朗君,山本 茂君の6君に称号が授与された.
あさま はじめ
淺間 一 君(正会員)
自律分散型ロボット,空間知能化技術,人共存などの研究開発,これらの技術の実用化,介護/リハビリ,災害対応,インフラ点検,福島原発の廃炉などへ応用において顕著な業績がある.また,移動知研究など,生工融合による生物の適応的行動機能理解のための基礎研究を推進し,新規な学術分野を開拓した.本学会においても,部会,委員会の委員を多数務めるとともに,きわめて多くの論文発表・解説執筆,招待講演を行うなど,多大な貢献を果たした.
略 歴
1982年 東京大学工学部精密機械工学科 卒業
1984年 東京大学大学院工学系研究科修士課程 修了
1986年 東京大学大学院工学系研究科博士課程 中退
1986年 理化学研究所化学工学研究室 研究員補
1989年 工学博士取得(東京大学)
1989年 理化学研究所化学工学研究室 研究員
1996年 理化学研究所化学工学研究室 先任研究員
1998年 理化学研究所研究基盤技術部技術開発促進室 副主任研究員
2002年 東京大学人工物工学研究センター 教授
2009年 東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻 教授
本会関係
1998年~ 自律分散システム部会委員,副主査,主査,顧問
2001年~ ユニバーサルデザイン部会委員
2002年 先端融合部門運営委員
2002~2008年 国際委員会委員
2002年~ レスキュー工学部会委員
2003年~ RTシステムインテグレーション部会委員
2005~2006年 RTミドルウェア普及調査研究専門委員会委員
2014年~ スワームシステム部会委員
おがさわら つかさ
小笠原 司 君(正会員)
知能ロボットのプログラミング手法やシステム構成法に関する研究をはじめ,要素技術と統合化技術に関する研究に幅広く取り組み,本会論文賞など顕著な学術実績を有する.また,本会の会誌解説記事や講習会講師の貢献とともに博士学位取得者を多数輩出するなど教育啓蒙活動実績を有する.さらに,本会論文集委員会や事業委員会委員などとともに、SI 部門が共催するロボティクスシンポジアの実行委員長,プログラム委員長を務めており,本会運営に貢献している.
略 歴
1978年3月 東京大学工学部計数工学科 卒業
1980年3月 東京大学大学院工学系研究科情報工学専門課程修士課程 修了
1983年3月 東京大学大学院工学系研究科情報工学専門課程博士課程 修了
1983年4月 通商産業省 工業技術院 電子技術総合研究所 入所
1994年10月 同所 知能システム部行動知能研究室 室長
1998年4月 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 教授
2013年4月 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 研究科長
2017年4月 奈良先端科学技術大学院大学 副学長
2018年4月 奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科 研究科長・教授
2021年4月 奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長
2023年4月 奈良先端科学技術大学院 研究推進機構 特任教授(現在に至る)
この間,1993年?1994年,カールスルーエ大学(ドイツ)客員研究員
本会関係
1995年度 第38回自動制御連合講演会実行委員会委員
1986?1989年度 自動化機器部会委員
1998年度 第41回自動制御連合講演会実行委員会委員
1989?1990年度 論文集委員会委員
1994?1995年度 事業委員会委員
1996?1997年度 学会賞委員会委員
1999年度 第5回ロボティクスシンポジア プログラム委員長
2009年度 第15回ロボティクスシンポジア 実行委員長
しん てつりゅう
申 鉄龍 君(正会員)
ロバスト制御および非線形制御理論の基礎研究と実用化研究で継続した成果を上げており,特に,消散性に基づく非線形ロバスト制御論の提唱・体系化,並びに自動車パワートレイン制御技術などの研究分野においては先駆的な研究成果を多く残してきた.本会の各種委員会,研究会の主査・副査,代議員,理事を歴任し,2015年と2021年AC実行委員長を務め,本会の発展に力を尽くしてきた.IFAC自動車制御関連学会においては,General ChairやIPC Chairを多数務め,IFAC TCメンバーとして本会の国際化のために尽力した.
略 歴
1982年2月 中国東北重型機械学院 自動制御工学部 卒業
1986年6月 中国東北重型機械学院大学院修士課程制御工学専攻 修了
1986年7月 中国東北重型機械学院自動制御工学部 専任講師
1992年3月 上智大学大学院機械工学専攻博士後期課程 修了
1992年4月 上智大学理工学部機械工学科 助手
2005年4月 上智大学理工学部機械工学科 助教授
2005年10月 中国武漢大学電気工学院 客員教授
2006年4月 上智大学理工学部機能創造理工学科 准教授
2008年4月 上智大学理工学部機能創造理工学科 教授
2009年9月 University of Rome "Tor Vergata", Rome, Italy 客員教授
2017年3月 中国吉林大学自動車制御国家重点実験室 客員教授
2022年4月 上智大学理工学部機能創造理工学科 特別契約教授
本会関係
2015年 SICE AC2015 実行委員会委員長
2019年 代議員
2020年 臨時国際・AC委員会合同委員会委員
2021年 SICE AC2021 実行委員会委員長
2023年 理事
2023年 企画委員会委員
のだ あきお
野田 哲男 君(正会員)
ロボット化困難作業を自動化するための知能化技術を用いた産業用ロボットシステムに関する研究開発において,3秒台/個を達成したばら積み部品供給作業ロボット化のシステム的解法や自律システムアルゴリズムなど多数の内外論文賞に裏打ちされる学術業績が,またFA・ロボット分野等の新製品企画開発上市・内外多数の特許登録・技術賞などの技術業績がある.近年システムインテグレーション(以下「SI」)学理の探究に取り組んでおり本会当該部会を主宰している.国・業界団体・複数学会の役員・代議員・委員を歴任,産官学連携研究開発活動,WRSものづくり競技とくに安全ルール運営,高校生向け啓発イベントも推進,各種個人賞団体賞により評価されている.本会の運営について役員・本部委員会主査・SI部門長・SI部門講演会実行委員長・部会主査などを歴任,部門講演会OS創設・会誌特集号編纂・解説記事寄稿・セミナー講師など,本会の発展に寄与する多大な貢献がある.
略 歴
1985年 大阪大学基礎工学部 機械工学科 卒業
1987年 大阪大学大学院基礎工学研究科機械工学専攻 博士前期課程 修了
1987年 三菱電機株式会社 入社 先端技術総合研究所など
2016年 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科情報科学専攻博士後期課程 修了,博士(工学)
2017年 大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部ロボット工学科 教授(現在に至る)
本会関係
2013~2014年 会誌編集委員会委員(SI部門主査,会誌改善WG主査,特集号編纂2篇)
2013~2017年 SI部門運営委員会企業担当委員,同幹事,同副委員長,同委員長
2013~2016年 自動化システム部会副査,同主査
2015~2016年 学会賞委員会委員
2016~2017年 SI部門将来計画副委員長
2018年 SI部門講演会SI2018実行委員長
2018年 平成30年度計測自動制御学会関西支部・システム制御情報学会若手研究発表会副実行委員長
2018~2019年 FA財団論文賞推薦委員長,SI部門副部門長,同将来計画委員長,同表彰委員長
2020~2021年 SI部門部門長,同ノミネーション副委員長
2020年~ SIの学理調査研究会創設・主査,2022からSI学理部会主査
2021年 功績賞選考委員会委員
2022~2023年 SI部門特命顧問,同ノミネーション委員長
2023~2024年 理事(国際)
その他,SI部門講演会にて2008セル生産OS創設,2016農業OS創設,SI2011実行委員,SI2013実行委員.SII2011実行委員,IROS2022 SICE-RSJテクニカルツアー主担当,2023第28回ロボティクスシンポジア実行委員会幹事など.
ますだ しろう
増田 士朗 君(正会員)
適応学習制御,モデル予測制御や離散事象システムに関する制御を中心に,多種のシステム制御アルゴリズムの開発に取り組み,本学会論文誌や本学会主催の学会・シンポジウム,学会誌への解説記事への執筆など継続的に貢献してきた.また,本会理事、Annual Conferenceプログラム委員長,本会主催の自動制御連合講演会のプログラム委員長,制御部門の適応学習制御調査研究会やシステム・情報部門の離散事象システム研究会の主査など,多くの活動の運営・事業活動に貢献がある.
略 歴
1987年 京都大学工学部数理工学科 卒業
1989年 京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修士課程 修了
1989年 岡山大学工学部 助手
1994年 京都大学 博士(工学)
1995 年 岡山大学工学部 講師
1998 年 岡山大学工学部 助教授
2000 年 東京都立科学技術大学工学部 助教授
2005 年 首都大学東京システムデザイン学部 助教授(准教授)
2013 年 首都大学東京システムデザイン学部 教授
2020 年 東京都立大学システムデザイン学部 教授(現在に至る)
この間,1998年2月~1998年9月 カナダ アルバータ大学 化学物質工学科 にvisiting professorとして滞在.
本会関係
2004年1月~2006年12月 知的システム構築のための適応学習制御調査研究会 主査
2011年1月~2012年12月 システム・情報部門離散事象システム研究会主査
2014年1月~2015年12月 SICE 2015 実行委員
2015年1月~2016年12月 理事(国際担当)
2016年1月~2017年12月 第60回自動制御連合講演会プログラム委員長
2019年1月~2020年12月 第63回自動制御連合講演会プログラム共同委員長
2018年1月~2019年12月 会誌編集委員会委員
2018年1月~2021年12月 事業会員サービス委員会
2022年1月~現在 メンバー委員会
2022年1月~現在 学会賞委員会
やまもと しげる
山本 茂 君(正会員)
分野横断的な視点から,ロバスト制御,データ駆動制御,カオス制御,ハイブリッド動的システム,極値探索制御などに関する様々な制御問題に取り組み,本学会論文誌を含めた多くの論文や国際会議などで成果を発表している. 加えて産業界との共同研究でも実績を挙げている.本会の運営面においては,北陸支部長,支部協議会担当理事等を務め,支部活動の活性化に貢献した.また,理事,評議員やSICE2017のGeneral Chairを務めるなど本学会の発展に尽力した.
略 歴
1987年3月 大阪大学基礎工学部制御工学科 卒業
1989年3月 大阪大学工学研究科産業機械工学専攻博士前期課程 修了
1989年4月 大阪大学工学部 助手
1994年4月 大阪大学基礎工学部 助手
1996年3月 博士(工学)(大阪大学)
1997年4月 大阪大学大学院基礎工学研究科 助手
1998年7月 同 講師
2000年4月 同 助教授
2007年4月 金沢大学大学院自然科学研究科 教授
2008年4月 金沢大学理工研究域電子情報学系 教授
2018年4月 金沢大学理工研究域フロンティア工学系 教授
2020年4月 金沢大学 学長補佐(現在に至る)
2022年4月 金沢大学高大接続コア・センター長 (現在に至る)
2022年7月 金沢大学数理・データサイエンス・AI教育センター長(現在に至る)
2022年8月 金沢大学融合研究域融合科学系 教授(現在に至る)
本会関係
1996~1997年度 関西支部幹事
2000年度 制御理論部会幹事
2004~2005年度 会誌編集委員会委員
2006年度 関西支部幹事
2011年度 北陸支部支部長
2012~2013年度 理事
2013年度 支部協議会議長
2017年 SICE Annual Conference General Chair
2019~2022年度 代議員