2022年度計測自動制御学会 学会賞贈呈のため,山下善之氏を委員長とする学会賞選考委員会において慎重に選考の結果,下記論文賞7件,技術賞3件,著述賞2件,新製品開発賞1件,教育貢献賞1件,国際標準化賞2件が理事会にて決定された.9月8日,SICE 2022会場(熊本城ホール)およびオンラインにて贈呈式を行い,受賞者に賞状および副賞が贈呈された.

[論文賞] 7件
(論文賞・蓮沼賞)
○A0モードラム波動場の点波源拘束偏微分方程式にもとづく欠損のシルエット像再構成
(SICE論文集 Vol.56, No.4で発表)
佐賀大学・石橋春香 君,寺本顕武 君
(論文賞・武田賞)
○Stochastic Model-based Assessment of Power Systems Subject to Extreme Wind Power Fluctuation
(SICE JCMSI Vol.14, No.1で発表)
Kyoto Univ.・Kaito ITO 君,Kenji KASHIMA 君
Tokyo Denki Univ.・Masakazu KATO 君
Kyoto Univ.・Yoshito OHTA 君
(論文賞)
○ElGamal-Type Encryption for Optimal Dynamic Quantizer in Encrypted Control Systems
(SICE JCMSI Vol.14, No.1で発表)
The Univ. of Electro-Communications・Kaoru TERANISHI 君,Kiminao KOGISO 君
(論文賞)
○拘束条件下でのデータ駆動制御
(SICE論文集Vol.57, No.4で発表)
電気通信大学・定本知徳 君,金子 修 君
(論文賞)
○多自由度機械系に対するDescriptor Terminal スライディングモード制御
(SICE論文集Vol.57, No.10で発表)
東京都立大学・花房健多 君,武居 直行 君,児島 晃 君
(論文賞)
○分散協調制御によるマルチモータシステムの一構成法
(SICE論文集Vol.56, No.11で発表)
(株)豊田中央研究所・天野也寸志 君,日比野良一 君,菅井 賢 君
東北大学・加納剛史 君,石黒章夫 君
(論文賞)
○ドローンを用いたセンサ設置のための地表性状と見通しを考慮した設置位置選定
(SICE 論文集Vol.57 No.12で発表)
工学院大学・横山龍一 君,羽田靖史 君
東京大学・永谷圭司 君

[技術賞] 3件
(技術賞)
○はやぶさ2高精度航法誘導によるピンポイントタッチダウン運用の実現
(Acta Astronautica,他で発表)
宇宙航空研究開発機構・大野 剛 君
(技術賞)
○ケミカルトナー製造工程への品質自動制御の適用
(人工知能学会全国大会(第35回),他で発表)
(株)リコー・小林翔太 君,宮川将士 君,武政 奨 君,高橋直希 君
佐藤直之 君,鍬田浩志 君,瀬古剛也 君,渡邉好夫 君
(株)明和eテック・佐藤敏明 君
京都大学・加納 学 君
(技術賞)
○アタッチメント合成重心速度に基づくデータベース駆動型掘削支援制御技術
(計測自動制御学会論文集,他で発表)
コベルコ建機(株)・洪水雅俊 君
広島大学・山本 透 君
コベルコ建機(株)・小岩井一茂 君,吉原秀雄 君,山下耕治 君,山﨑洋一郎 君

[著述賞] 2件
(著述賞)
○システム制御のための数学(2)-関数解析編-(システム制御工学シリーズ8)(2021年・コロナ社)
太田快人 君(著)
(著述賞)
○次世代医療AI―生体信号を介した人とAIの融合―(計測・制御セレクションシリーズ1)(2021年・コロナ社)
計測自動制御学会(編)
藤原幸一 君,久保孝富 君(編著)

[新製品開発賞] 1件
(新製品開発賞)
○アジャスタブル近接センサ 形H3C-H
アズビル株式会社 殿

[教育貢献賞] 1件
(教育貢献賞)
○制御工学の裾野を広げる教育・啓発活動
大阪大学・南 裕樹 君

[国際標準化賞] 2件
(国際標準化賞 功績賞)
横河電機(株)・小野寺 薫 君
対象国際標準規格名:
・IEC 62832-1~3 ED1:Digitalfactory framework
・IEC TR 63082-1 ED1:IntelligentDevice Management

(国際標準化賞 奨励賞)
(株)安川電機・近藤健二 君
対象国際標準規格名:
・IEC 61158-5/6-27:CPF(Communication ProfileFamily)19,Type27
(MECHATROLINK)
・IEC 61784-2/5-19:Profiles for CPF19

受賞者略歴および受賞論文概要

(論文賞・蓮沼賞)

いしばし はるか
石橋 春香 君(正会員)
2013年佐賀大学大学院工学系研究科博士前期課程入学.2015年同修了, 2017年同後期課程入学,2020年同課程修了,同年和歌山工業高等専門学校助教,現在にいたる.在医用工学,波動情報処理,非破壊検査手法などの研究に従事.日本非破壊検査協会に所属.2021年計測自動制御学会計測部門論文賞受賞(博士(工学)).

てらもと けんぶ
寺本 顕武 君(正会員)
1988年,東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了,同年,佐賀大学理工学部講師,1991年同助教授,2009年同教授となり現在に至る,音響撮像,波動情報処理,逆問題,非破壊検査手法などの研究に従事.日本機械学会,日本音響学会,アメリカ音響学会,IEEEに所属.2012年および2021年計測自動制御学会計測部門論文賞受賞(工学博士).

受賞論文「A0モードラム波動場の点波源拘束偏微分方程式にもとづく欠損のシルエット像再構成」
本論文は,板材中に発生した微小欠損のシルエット像を再構成する点波源拘束偏微分方程式に基づく非破壊検査手法を提案している.CFRPに代表される繊維強化複合材料は,多層構造となっていて,その枚数や配向の違いによって弾性特性が異なり,その結果,弾性波の伝搬速度に異方性が生じる.そのため,従来の伝搬遅延時間にもとづく手法では,欠損の正確な位置が再構成できないという問題があった.そこで本論文では,任意の位置に存在する点波源から板材を伝播するA0モードラム波の振る舞いを記述する時空間偏微分方程式,すなわち点波源拘束偏微分方程式を理論的に導出している.つづいて点波源拘束偏微分方程式にもとづき,板材の面外変位と互いに直交する向きの一対の面外歪みの相互相関関数の二乗和を面外変位の自己相関関数の二乗で除した値が,点波源近傍で急激に大きな値を示すことを明らかにしている.さらに,この結果を用いて,CFRPの板材内の点状欠損や直線上欠損のシルエットの撮像を実現し,提案手法の有用性を検証している.

(論文賞・武田賞)

いとう かいと
伊藤 海斗 君(学生会員)
2017年京都大学工学部情報学科卒業,2019年同大学院情報学研究科修士課程修了.同年,同研究科博士課程に編入学し,現在に至る.2021年日本学術振興会特別研究員(DC2).動的システム,特に確率システムの解析・制御・最適化およびその応用に関する研究に従事.2021年度計測自動制御学会関西支部支部長賞奨励賞を受賞.IEEE,システム制御情報学会の学生会員.

かしま けんじ
加嶋 健司 君(正会員)
2005年京都大学大学院情報学研究科博士課程修了.東京工業大学助教,Stuttgart Universitat滞在,大阪大学准教授を経て,2013年より京都大学大学院情報学研究科准教授となり現在に至る.大規模系・確率系のシステム制御理論・学習理論およびその応用に関する研究に従事.博士(情報学).IEEE CSS Roberto Tempo Best CDC Paper Award(2019)などを受賞.IEEE CSS Conference Editorial Board Member.IEEE Senior Member.

かとう まさかず
加藤 政一 君(正会員)
1982年東京大学工学系大学院博士課程修了.工学博士.広島大学助手を経て,1984年10月(株)東芝入社.電力・社会システム技術開発センターにおいて,電力システムの解析,運用,制御に関する研究・開発に従事.1991~1993年英国エジンバラ大学AIAI(人工知能応用研究所)客員研究員.2005年10月東京電機大学工学部電気工学科(現 電気電子工学科)教授.CEng(英国技術士).IEEE Life Fellow,IET Fellow,CIGRE Distinguished Member,電気学会フェロー.

おおた よしと
太田 快人 君(正会員,フェロー)
1983年7月大阪大学大学院工学研究科後期課程中退.同年8月大阪大学助手,講師,助教授,教授を経て2006年4月より京都大学大学院情報学研究科教授.この間1986年9月から1988年4月までマサチューセッツ工科大学客員研究員.制御理論とその応用に関する研究に従事.工学博士.

受賞論文「Stochastic Model-based Assessment of Power Systems Subject to Extreme Wind Power Fluctuation」
風力発電量は乱流などの複雑な要因により,不確かな振る舞いを見せる.さらに,しばしば値が突出する現象(外れ値)が見られ,風力発電を連系した電力系統に深刻な影響を与える要因となっている.そこで我々の先行研究では,風力の外れ値を捉えられる適切な確率モデリング手法を提案し,実データを用いてその有用性を検証した.さらに外れ値が引き起こす電力系統の周波数変動を,モデルに基づいて精度保証付きで近似評価することを可能にした.しかし電力系統の条件によっては,得られる精度評価が過度に保守的になるという実用性の課題が残っていた.そこで本研究では,ルーリエ系のロバスト性能評価の手法を適用することで,精度保証の保守性が低減できることを示した.さらに負荷周波数制御モデルに対して本研究の結果を用いることで,タイトな精度保証のもと,周波数変動を近似評価できることを検証し,提案手法の有効性を示した.

(論文賞)

てらにし かおる
寺西 郁 君(学生会員)
2021年電気通信大学大学院情報理工学研究科博士前期課程修了.同年同博士後期課程入学.現在に至る.2019~2020年ジョージア工科大学Biorobotics and Human Modeling Laboratory客員研究員.2021年より日本学術振興会特別研究員.第36回電気通信普及財団賞テレコムシステム技術学生賞入賞.IEEE,システム制御情報学会の会員.

こぎそ きみなお
小木曽 公尚 君(正会員)
2004年大阪大学大学院工学研究科電子制御機械工学専攻博士後期課程修了.同年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科21世紀COE研究員.2005年同大学院助手,助教,2014年電気通信大学大学院情報理工学研究科知能機械工学専攻准教授となり,現在に至る.2010~2011年ジョージア工科大学客員研究員.制御システムセキュリティ,ハイブリッドシステムの制御,意思決定の制御と,その応用に関する研究に従事.博士(工学).システム制御情報学会,日本機械学会,IEEEの会員.

受賞論文「ElGamal-Type Encryption for Optimal Dynamic Quantizer in Encrypted Control Systems」
本論文では,暗号化制御系における最適動的量子化器の設計を目的としている.暗号化制御では,実数値である制御器のパラメータと制御対象の出力を暗号の平文空間に変換する必要があり,この処理によって量子化誤差が発生する.乗法準同型暗号であるElGamal暗号では,平文空間が平方剰余の集合であるため最適な量子化器の設計が困難であった.この問題に対し,著者らは,ElGamal暗号をベースとしたゼロや負の整数を適切に扱うことができる新しい乗法準同型暗号を提案した.この暗号方式では,実数を最近傍の整数に丸めた後,ルジャンドル記号を用いて平方剰余に写像することで量子化幅が等間隔になるように量子化を行う.また,著者らは,提案した暗号方式を用いた暗号化制御系に対して最適動的量子化器を設計し,数値シミュレーションにより従来の暗号化制御系に比べて制御性能が向上することを示した.

(論文賞)

さだもと とものり
定本 知徳 君(正会員)
2015年東京工業大学情報環境学専攻博士課程修了.2015 年6月から2016年3月までスウェーデン王立工科大学客員研究員.2016年4月から同年8月まで東京工業大学工学院システム制御系のCREST研究員,同月から2018年11月まで特任助教.2018年11月より電気通信大学大学院機械知能システム学専攻の助教となり,現在に至る.2014年European Control Conference Best Student Paper Award Finalist,2020年IEEE Control Systems Magazine Outstanding Paper Awardなどを受賞.

かねこ おさむ
金子 修 君(正会員)
1994年長岡技術科学大学大学院工学研究科修了.同年4月から1996年3月まで石川島システムテクノロジー株式会社勤務,1999年大阪大学基礎工学研究科博士後期課程単位認定退学,同年大阪大学大学院基礎工学研究科助手,2007年同助教,2009年金沢大学理工学研究域准教授を経て,2015年10月電気通信大学大学院情報理工学研究科教授,現在に至る.2008年システム制御制御学会論文賞・砂原賞,2012年計測制御学会論文賞,2015年同学会制御部門パイオニア技術賞を受賞.博士(工学).制御理論とその応用の研究に従事.電気学会,IEEEの会員.

受賞論文「拘束条件下でのデータ駆動制御」
本論文では,制御入力および多数の評価出力に関して拘束条件のある未知システムに対して,観測出力が所望の軌道に近い応答を達成するためのデータ駆動型のフィードバック/フィードフォワード制御器設計が二次計画問題へと帰着できることを示している.拘束条件としてはアクチュエータの飽和などの物理的な制約のみならず,最低限必要な応答速度などの設計仕様も反映できることに加え,サンプリング時刻ごとに任意の拘束を課すことが可能であり,極めて幅広い拘束条件を統一的に扱える手法となっている.また,システム同定を介したアプローチでは対象を同定したのちに何らかの最適化問題を解かねばならないが,提案法ではデータのみから高々K個(Kは制御器のパラメータ数)の決定変数を持つ二次計画問題を解くだけで良いことに加え,拘束条件に関するダイナミクスが本質的に不要な手法となっている.これらの点で提案法はシステム同定を介した非直接型アプローチと比べて大きなメリットがあるといえ,有用性が期待される.

(論文賞)

はなふさ けんた
花房 健多 君(正会員)
2021年東京都立大学大学院システムデザイン研究科博士前期課程修了.同年,川崎重工業(株)入社,現在に至る.在学時には,スライディングモード制御,ロボットマニピュレータの制御に関する研究に従事.

たけすえ なおゆき
武居 直行 君(正会員)
2000年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了.2000年大阪大学助手.2003年名古屋工業大学寄附講座講師.その後,准教授を経て,2008年首都大学東京准教授.2020年4月大学名称変更により,東京都立大学准教授.博士(工学).ロボットの運動制御,ロボット機構の開発,ロボットによる自動化などの研究に従事.日本機械学会,日本ロボット学会,電気学会,精密工学会,IEEEなどの会員.

こじま あきら
児島 晃 君(正会員,フェロー)
1991年早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程修了.同年,東京都立科学技術大学講師.  1997年同助教授.  2005年首都大学東京教授となり,現在に至る(2020年より, 東京都立大学に名称変更). 2000-2001年スイス連邦工科大学(ETH)自動制御研究所客員研究員. 予測制御,ロバスト制御,むだ時間系・分布系の制御法とその応用に関する研究に従事. 工学博士.Automatica, IET J. Control Theory and Applications 等の Associate Editor を担当. IEEE, システム制御情報学会,電気学会などの会員.

受賞論文「多自由度機械系に対するDescriptor Terminal スライディングモード制御」
近年,有限時間安定性を保証する制御法の研究がスライディングモード制御(SMC)の分野で盛んに行われている.本論文では,多入出力機械系の追従制御問題に着目し,追従偏差が整定する時間の上界値を初期値に依存せず予め定めることができるスライディングモード制御(SMC)を提案した.切換面には慣性行列を用いた状態依存のものを導入しており,これにより従来の線形切換面がもたらす切換入力の不要な高ゲイン化が解消され,SMCの欠点である制御入力のチャタリングを抑制することができる.また,この切換面はパラメータ変動を有するものの,慣性行列の正定値性より,通常のSMCと同様にオーバーシュートフリーな応答が得られることが保証される.

(論文賞)

あまの やすし
天野 也寸志 君(正会員)
1985年上智大学理工学部機械工学専攻博士後期課程修了.同年(株)豊田中央研究所入社,現在に至る.車両制御,人間自動車系の研究に従事(工学博士).日本機械学会,自動車技術会会員.

ひびの りょういち
日比野 良一 君(正会員)
1991年名古屋大学大学院工学研究科博士前期課程修了.同年,株式会社豊田中央研究所入社,2009年名古屋大学博士学位授与,2021年愛知工業大学教授,現在に至る.ドライブトレーン系の制御,ロバスト最適化,車両のモデリングの研究に従事(工学博士).日本機械学会,自動車技術会会員.

すがい まさる
菅井 賢 君(正会員)
1993年東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻修士課程修了.同年(株)豊田中央研究所入社.車載の制御機器や,モータ制御,エネルギーマネージメント等,制御理論の応用研究に従事.電気学会,自動車技術会会員.

かのう たけし
加納 剛史 君(正会員)
2002年北海道大学医学部医学科卒業,同年,北海道大学附属病院第一内科研修医,2008年大阪大学大学院生命機能研究科博士課程修了.同年,同大学特任研究員.2009年東北大学助教(大学院医学系研究科),2011年東北大学電気通信研究所助教,2016年東北大学電気通信研究所准教授, 現在に至る.主として,非線形科学,現象数理学に従事. 博士(理学).2011年 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots ans Systems NTF Award Finalist for Entertainment Robots and Systems,  2014 SSI Best Research Award などを受賞.日本物理学会,日本数理生物学会などの会員.

いしぐろ あきお
石黒 章夫 君(正会員)
1991年名古屋大学大学院工学研究科電子機械工学専攻博士後期課程修了.同年,同大学助手,1997年同大学大学院工学研究科計算理工学専攻助教授.2006年東北大学工学研究科電気・通信工学専攻教授.2011年東北大学電気通信研究所教授,現在に至る.主として,生物規範型ロボティクス,数理生物システム論に関する研究に従事(工学博士).日本ロボット学会,日本数理生物学会などの会員.

受賞論文「分散協調制御によるマルチモータシステムの一構成」
マルチモータシステムは,複数のモータで駆動力分担を行うことにより故障等に対する高信頼化や適切なモータを使うことによる高効率化を実現できる可能性がある.このような利点を活かすためには各モータを協調駆動できる分散制御系の構築が重要である.本研究では,4脚動物の脚間協調原理に着想を得て,局所センサフィードバックに基づくモータの自律分散制御則を提案した.そして、その制御効果をシミュレーションにより検証した.

(論文賞)

よこやま りゅういち
横山 龍一 君(正会員)
2020年工学院大学工学部機械システム工学科卒業.2022年工学院大学大学院工学研究科機械工学専攻修了,修士(工学).現職に至る.

はだ やすし
羽田 靖史 君(正会員)
2003年筑波大学大学院博士課程工学研究科知能機能工学専攻修了,博士(工学).理化学研究所特定協力研究員,情報通信研究機構専攻研究員を経て,2011年から工学院大学機械システム工学科准教授,現在に至る.災害対応ロボットの通信,自律ロボット,建設ロボット,環境知能化等に関する研究に従事.

ながたに けいじ
永谷 圭司 君(正会員)
1997年筑波大学大学院博士課程修了,博士(工学).カーネギーメロン大学機械工学科(ポストドクトラルフェロー),岡山大学大学院自然科学研究科講師,東北大学大学院工学研究科准教授,東北大学未来科学技術共同研究センター准教授を経て,現在,東京大学大学院工学系研究科特任教授.建設機械の自動化や火山探査ロボットの開発など,フィールドロボティクスの研究に従事.日本ロボット学会,日本機械学会,IEEE等の会員.

受賞論文「ドローンを用いたセンサ設置のための地表性状と見通しを考慮した設置位置選定」
火山噴火によって発生する土石流災害の被害を見積もるためには,火山灰の堆積状況や粒径を調べる必要があるが,噴火警戒レベルに応じて火口周辺に立入制限区域が設けられ,人による詳細な現地調査が実施できない.そこで本研究では,ドローンから降ろして動作させる無人センサデバイスの設置位置について,まずドローンで現場の三次元計測を行い,その中から安定してデバイスを設置でき,かつセンサが正しく動作可能な地点を選定する技術(適地選定技術)を開発した.本稿では特に,降灰厚計測デバイスと定点観測デバイスを設置対象と定め,それぞれの設置を想定した際に用いる条件の設定と,以前の研究で考慮していなかったセンサデバイスから確認できる観測範囲の見通しを考慮した条件を追加し,より詳細な設置位置選定技術について検討を行った.

(技術賞)

おおの ごう
大野 剛 君(正会員)
2014年東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了.日本学術振興会PDを経て,2015年より宇宙航空研究開発機構に勤務.宇宙機の航法誘導制御系に関わる研究開発や,「はやぶさ2」「火星衛星探査計画」等の深宇宙探査プロジェクトに従事.

受賞論文「はやぶさ2高精度航法誘導によるピンポイントタッチダウン運用の実現」
「はやぶさ2」が探査した小惑星「リュウグウ」は地表面の凹凸が激しく,安全なタッチダウンは困難であった.しかし,多岐にわたる技術要素(自律機能,地上機能,画像航法,航法フィルタ,誘導則,ダイナミクスモデル,運用シーケンス等)を包括的に設計した航法誘導により,人工基準点(ターゲットマーカ)を高精度で投下・認識し,ピンポイントタッチダウン運用を実現した.特に人口クレータ近傍への投下は,世界初である同一天体2地点からのサンプル採取,地下物質の採取に大きく貢献した.

(技術賞)

こばやし しょうた
小林 翔太
2010年横浜国立大学工学部生産工学科卒.同年株式会社リコー入社.入社以来,複合機の主要構成部品,トナー等の生産技術開発業務を経て,データ解析および生産プロセスへのAI導入業務に従事.

みやかわ まさし
宮川 将士
2002年鈴鹿工業高等専門学校材料工学科卒.同年株式会社リコー入社.入社以来,ケミカルトナーの生産技術開発業務を経て,生産プロセスへのAI導入業務に従事.

たけまさ すすむ
武政 奨
2004年沼津工業高等専門学校物質工学科卒.同年株式会社リコー入社.入社以来,ケミカルトナーの生産技術開発業務を経て,生産プロセスへのAI導入業務に従事.

たかはし なおき
高橋 直希
2011年東京工業大学大学院総合理工学研究科物質科学創造専攻修士課程修了.同年株式会社リコー入社.現在に至る.入社以来,ケミカルトナーの生産技術開発業務を経て,生産プロセスにおけるAIの技術開発や導入の業務に従事.

さとう なおゆき
佐藤 直之
1992年中央大学理工学部精密機械工学科卒.同年株式会社リコー入社.入社以来ソフトウェアシステムの開発業務に従事し現在に至る.2014年岩手大学大学院工学研究科博士後期課程修了.

くわた ひろし
鍬田 浩志
2010年東京理科大学工学部電気工学科卒.同年株式会社リコー入社.入社以来,ケミカルトナーの生産技術開発業務を経て,工場のIoT化およびIT/OT導入業務に従事.

せこ たけや
瀬古 剛也
 2012年近畿大学工業高等専門学校制御情報科卒.同年株式会社リコー入社.入社以来,ケミカルトナー生産準備業務を経て,生産プロセスへのAI導入業務に従事.

わたなべ よしお
渡邉 好夫
1981年京都大学大学院理学研究科博士課程修了.1985年株式会社リコー入社.シミュレーション,機械学習関連の技術開発に従事.日本工学会フェロー,日本流体力学会フェロー,可視化情報学会名誉会員.博士(理学) .

さとう としあき
佐藤 敏明
1984年東京大学理学部情報科学科卒業,同年株式会社リコー入社,2010年デジタルエンジニアリングセンター所長,2015年技師長,2017年リコーインダストリー株式会社生産システム本部本部長,2019年株式会社明和eテック執行役員,博士(理学).

かのう まなぶ
加納 学 君(正会員)
1994年京都大学大学院工学研究科化学工学専攻修士課程修了,同年同助手.2004年同助教授.2012年京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻教授.現在に至る.2018年京大発スタートアップのクアドリティクス株式会社を共同創業.データ解析・制御を中心に,プロセス・医療分野のシステム工学的研究に従事.

受賞論文「ケミカルトナー製造工程への品質自動制御の適用」
複数の複雑な工程で構成されるケミカルトナープラントでは,機械学習による品質予測値を用いたフィードフォワード推論制御が用いられてきた.しかし,設備変更等の直後では,データの再収集および予測モデルの再構築が必要であり,この期間は人手による品質制御を行うため,多大な工数が掛かる問題があった.そこで,設備等の変更直後で少数ロットのデータしか得られない状態であっても,変更前のデータを活用することで高性能な品質予測モデルを構築するために,製造現場の技術者でも容易に実装できる新たな転移学習法 (Frustratingly Easy Heterogeneous Domain Adaptation: FEHDA) を提案するとともに,予測にはガウス過程回帰とバギングを組み合わせた手法を適用した.その結果,従来の1/4の変更後データから高性能かつ汎化性の高い予測モデルの構築が可能となった.これにより,品質自動制御システムの停止期間を75%削減できた.

(技術賞)

こうずい まさとし
洪水 雅俊 君(正会員)
2011年広島大学大学院工学研究科博士課程前期修了,同年コベルコ建機(株)入社,2017年広島大学大学院工学研究科共同研究講座助教,2020年広島大学大学院工学研究科博士課程後期修了.現在,油圧ショベルに関する制御システムの研究,開発に従事.広島大学客員准教授.計測自動制御学会制御部門大会技術賞などを受賞.博士(工学).

やまもと とおる
山本 透 君(正会員,フェロー)
1987年徳島大学大学院工学研究科修士課程(情報工学専攻)修了.大阪大学助手,広島大学助教授,教授などを経て,現在,同大学院先進理工系科学研究科教授.制御系設計の高度化と知能化,ならびにデータ駆動型スマートシステムの構築に関する研究に従事.2006年日本学術振興会特定国派遣研究員(アルバータ大学化学・材料工学科).本会技術賞(2003年,2010年),同著作賞(2021年),電気学会業績賞(2022年)などを受賞.博士(工学).

こいわい かずしげ
小岩井 一茂 君(正会員)
2009年広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了,同年コベルコ建機(株)入社,2015年広島大学大学院工学研究科共同研究講座助教,2018年同大学大学院工学研究科博士課程後期修了.現在,コベルコ建機(株)戦略技術開発部新分野戦略推進グループグループ長.広島大学客員准教授.油圧ショベルに関する制御システムの研究,開発に従事.計測自動制御学会制御部門大会技術賞などを受賞.博士(工学).

よしはら ひでお
吉原 秀雄
2011年愛媛大学大学院理工学研究科修士課程修了,同年コベルコ建機(株)入社.現在,油圧ショベルに関する制御システムの研究,開発に従事.

やました こうじ
山下 耕治
1994年豊橋技術科学大学電気・電子システム工学研究科博士前期課程修了,同年(株)神戸製鋼所入社,1999年コベルコ建機(株),2020年同社先端技術開発部部長,2021年同社システム・コンポーネント開発部部長.現在,同社戦略技術開発部部長.広島大学客員教授.油圧ショベルに関する電気・制御システムの研究・開発に従事.計測自動制御学会制御部門大会技術賞を受賞.

やまざき よういちろう
山﨑 洋一郎
1992年愛媛大学工学研究科修士課程修了,同年(株)神戸製鋼所入社,1999年コベルコ建機(株),2013年同社要素開発部部長,2017年同社先端技術開発部部長,2020年同社新事業推進部部長.現在,同社執行役員,ICT推進部部長および新事業推進部の担当.広島大学客員教授.油圧ショベルに関する油圧・電気・制御システムの研究・開発に従事.計測自動制御学会制御部門大会技術賞などを受賞.

受賞論文「アタッチメント合成重心速度に基づくデータベース駆動型掘削支援制御技術」
日々の生活を支えている建設業では、従事者の減少が社会的な課題となっており、特に現場の生産性を左右する建設機械作業の効率化が急務である.なかでも油圧ショベルは非定常作業が多く、操縦オペレータの判断や操作が求められることから、操作技量の低い新入職者などの場合、効率的な作業とすることは容易ではない.このような課題に対して本技術では、熟練者による作業の特徴が表出する作業アタッチメントの合成重心速度を指標とした.また、本指標に基づき、掘削作業の一部操作を調整することで過負荷を抑制する支援制御系を構築した.さらに、作業条件によってシステム特性が非線形となり、その特性把握が容易でない油圧ショベルにおいても、稼働状況に基づくデータベース駆動型制御系によって良好な制御性能を達成した.操作者が自身で操作をしながらも掘削時間の短縮、および動力の消費を抑制した操作支援効果を実機で実証した.提案技術は建設機械作業への従事を容易にし、労働力不足の解決に繋がることが期待される.

(著述賞)

おおた よしと
太田 快人 君(正会員)
1983年7月大阪大学大学院工学研究科後期課程中退.同年8月大阪大学助手,講師,助教授,教授を経て2006年4月より京都大学大学院情報学研究科教授.この間1986年9月から1988年4月までマサチューセッツ工科大学客員研究員.制御理論とその応用に関する研究に従事.工学博士.

受賞図書「システム制御のための数学(2)-関数解析編-(システム制御工学シリーズ 8)」
システム制御の理論構成のためには数学的手法が広く用いられてきている.状態空間表現に基づく制御では線形代数が大きな役割を果たしており,同じシステム制御工学シリーズに組み入れられた「システム制御のための数学(1)」において要点を紹介した.本書はその続編として,周波数応答に基づく制御やロバスト制御で重要となる複素解析と関数解析に焦点をあてている.
本書の題名はシステム制御に限定された特別な数学という意味ではなく,システム制御を学ぶために必要となる数学を体系的に学ぶことを趣意としたものである.特に数学的な概念がなぜシステム制御に必要なのか,数学的な結果がどのように適用されるのかということを,システム制御に関連した例題や問題によって与えるように努めている.もう一つの特徴は,できるだけ自己完結する記述に努めている点である.なるべく「自明である」や「省略する」という言い方をしないように配慮しており,演習問題ついても解くことによって理解を深めるという使い方もできるように丁寧な解答を載せている.

(著述賞)

ふじわら こういち
藤原 幸一 君(正会員)
2004年京都大学工学部卒業.2009年京都大学大学院工学研究科後期課程修了,博士(工学).2008年日本学術振興会特別研究員DC2,2009年日本学術振興会特別研究員PDおよび豪カーティン大学客員研究員,2010年NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究員,2012年京都大学大学院情報学研究科助教を経て,2018年より名古屋大学大学院工学研究科准教授,現在に至る.2018年よりJSTさきがけ(社会システム)研究員(2022年3月まで),2022年よりAMED医療機器等研究成果展開事業・プログラムオフィサーに就任.専門は機械学習,医用工学,信号処理,てんかん学および睡眠医学.人工知能学会,日本機械学会,日本てんかん学会,日本睡眠学会,IEEEの各会員.

くぼ たかとみ
久保 孝富
2002年大阪大学医学部医学科卒業,医師免許取得.以後2007年まで医師として神経内科診療に従事.2012年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了,博士(工学)取得.2012年より同大学同研究科助教,2017年より同大学同研究科特任准教授,
2018年より改組のため同大学先端科学技術研究科(情報科学領域)特任准教授.2022年より同大学同研究科准教授となり,現在に至る.専門は,機械学習,医工学,生体計測・信号処理,神経科学.神経回路学会,IEEE,北米神経学会各会員.

受賞図書「次世代医療AI―生体信号を介した人とAIの融合―(計測・制御セレクションシリーズ1)」
医療は,AIの利活用が期待される分野のひとつである.現在は画像診断AIの研究開発が先行しているが,今後は生体信号の活用が期待される.本書では,生体信号の生理学的メカニズムから各種の測定機器,生体信号を解析する機械学習技術までをも記述している.さらに,医療AI開発にあたり研究者,開発者が知っておくべきAIの法律面や倫理面,そして実用化または商用化を目指す際のハードルとなる薬事についても解説されたユニークな書籍となっている.

(新製品開発賞)

受賞製品「アジャスタブル近接センサ 形H3C-H」
アズビル株式会社 殿
誘導形近接センサは,工作機械などの汚れた雰囲気となる環境においても,高周波の電磁誘導により金属の有無や接近を検出できるセンサである.従来の誘導形近接センサは,スペーサーなどを用い取付け位置を決めた後,微妙な調整を必要とするねじ締め付けによる検出位置設定を行っており,作業に手間がかかり,作業者による設定ばらつきにより検出が安定しないという課題があった.
アジャスタブル近接センサ 形H3C-Hは,検出距離や動作モードを自動的に決定するオートティーチング機能を搭載し,短時間でばらつきの小さい,安定した検出位置を設定できる.
さらに,検出位置を2か所に設定できるため,従来,複数センサを設置していた用途に1つのセンサで対応でき,取付けスペースが削減できるとともに,各センサの調整時間を大幅に短縮できる.
またIO-Linkに対応しており,センサの動作状態やプロセスデータを読み出すことができ,装置のIoT化に資することが可能となっている.(会誌「計測と制御」Vol.60 No.9(2021 年9 月号)掲載)

(教育貢献賞)

みなみ ゆうき
南 裕樹 君(正会員)
2009年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了.舞鶴工業高等専門学校助教,京都大学特定助教,奈良先端科学技術大学院大学助教,大阪大学講師などを経て,2019年より大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻准教授.博士(情報学).2021年度計測自動制御学会論文賞,2021年度計測自動制御学会関西支部支部長賞などを受賞.システム制御情報学会,日本機械学会,IEEEなどの会員.一般社団法人みんなの制御塾代表理事.

受賞教育活動「制御工学の裾野を広げる教育・啓発活動」
受賞者は,制御工学教育のための教科書の執筆やデジタル教材の開発,関連する学会等の活動など,制御工学の裾野を広げる活動に取り組んでいる.制御工学の教科書として,2017年に「倒立振子で学ぶ制御工学」,2019年に「Pythonによる制御工学入門」,2020年に「やさしくわかるシーケンス制御」,2021年に「制御系設計論」を上梓している.とくに,Pythonによる制御工学入門は,フィードバック制御の新しい教科書であり,大きな注目を浴びている.さらに,制御工学に関するセミナー講師を多数担当しているだけでなく,YouTuberとして動画コンテンツを開発したり,LINEスタンプを制作するなど,新時代の教育・啓発活動を推進している.また,IFAC主催のGirls in Controlの運営や一般社団法人みんなの制御塾の設立など,活動の幅をさらに広げ,制御工学の重要性や楽しさを伝える取り組みに力を入れている.

(国際標準化賞 功績賞)

おのでら かおる
小野寺 薫
1985年横河電機株式会社入社.EPC担当セールスエンジニア,フィールド機器のマーケティング,日本フィールドバス協会副理事長などを経て,現在,マーケティング本部渉外・標準化戦略センター専任課長.IEC TC65/WG16,SC65A/WG15,ISO TC184/SC5/WG10ほか,多数のWGの国際エキスパート,SC65A/WG16,SC65E/WG10のエディタ,TC65の多数のWGの国内委員会幹事,JISC産業機械技術専門委員会委員を務める.

対象国際標準規格名:
・IEC 62832-1~3 ED1:Digital Factory framework
・IEC TR 63082-1 ED1:Intelligent Device Management

スマートマニュファクチャリングの基盤技術であるセマンティックインターオペラビリティの実現を目的とした情報モデルの構造を定義するDigital Factory frameworkを所管するIEC TC65/WG16に国際エキスパートとして参画し,IEC 62832シリーズの開発に寄与.その後,IEC Supporting Documentなどの広報資料を作成し,同規格の周知にも努めている.診断機能と通信機能を有するインテリジェントデバイスのライフサイクルにわたる有効活用を目的としたIntelligent Device Managementを所管するIEC SC65E/WG10に国際エキスパートとして参画,IEC 63082シリーズへの貢献が認められ,リーダー会議メンバに選ばれ,エディタも務めている.日本のユーザの意見の反映や文書品質向上への貢献のほか,プロジェクトの運営や関連規格への対応についても積極的に提案し,影響力を行使している.

(国際標準化賞 奨励賞)

こんどう けんじ
近藤 健二
1986年仙台電波高専卒業,同年(株)安川電機入社.2009年北九州市立大学大学院マネジメント研究科修了.北米駐在を経て,現在,技術開発本部 信頼性技術部所属.IEC TC65/SC65C/WG9,JWG10,WG12,WG18ならびにTC65/WG10の国際エキスパート,IEEE会員.2017年からWG9,JWG10のエキスパートとして国際会議等へ参画し,2019年10月にNPが承認された日本提案のフィールドバス規格 CPF19, Type27(MECHATROLINK)のプロジェクトリーダとして当該の61158, 61784シリーズの国際規格作成に従事.

対象国際標準規格名:
・IEC 61158-5/6-27:CPF(Communication ProfileFamily)19, Type27(MECHATROLINK)
・IEC 61784-2/5-19:Profiles for CPF19

MECHATROLINKの機能拡張 (RTE Real Time Ethernet対応) によるフィールドバスの進化を実現するため,IEC国際エキスパートとして,IEC/TC65/SC65C/WG9(フィールドバス)および関連する作業グループに参画している.そこで,IECのフィールドバス規格であるIEC  61158(フィールドバスのプロトコルスタックに関する規定)及びIEC 61784(用途に応じてプロトコルスタックを組み合わせによるプロファイルを規定)で規格化されているMECHATROLINKの機能を拡張する新規業務提案を行い,現在,同規格策定のプロジェクトリーダとして新規格の作成を主導している.規格開発作業においては,各国から参加する国際エキスパートの合意形成を図り,要求事項を文書化するなど,国内での原案作成による技術的な貢献に加え,国際でのプロジェクト運営にも大きく貢献している.
また,MECHATROLINKの機能拡張に伴い,関連する作業グループであるWG12(機能安全),WG18(TSN),TC65/WG10(制御システムセキュリティ)の活動にも,国際エキスパートとして積極的に参画し,国際動向の把握と,その国内展開(IEC TC65国内委員会での情報交換など)に大きく貢献している.