2016年度計測自動制御学会フェロー紹介
研究・開発・教育啓蒙・管理運営その他の活動を通じて,本会の関与する分野の学問技術の発展に顕著な功績のあった会員を顕彰するために設けられた「フェロー制度」による第29回のフェローが決定し,9月22日,つくば国際会議場(SICE2015 会場)において,黒江康明君,三平満司君,鄭 立君,中内 靖君,宮里義彦君,吉見 卓君,羅 志偉君の7君に称号が授与された.
くろえ やすあき
黒 江 康 明 君 (正会員)
システムの計算機援用解析と設計法ならびにロバスト制御やディジタル制御,さらにはシステムの知能化,コンピューテーショナル・インテリジェンスに関する研究を精力的に進めており,本会の論文集を始め,関連学会誌に多数の論文を発表している.また,学会誌の総説,解説記事や講演を通じて教育啓発活動を行うとともに,本会の理事,部門長,支部長や種々の委員会の委員長や部会の主査などを歴任し,本会の運営や活性化に大きく貢献している.その中で,新分野の創出の活動を具体的に行う組織として新たな委員会の立ち上げに尽力するとともに,本会の将来を見据えた新たなシステムズアプローチを構築する活動も主導し,本会への貢献はきわめて大きい.
略 歴
1974年3月 | 神戸大学工学部計測工学科卒業 |
1977年3月 | 神戸大学大学院工学研究科計測工学専攻修士課程修了 |
1982年3月 | 神戸大学大学院自然科学研究科生産科学専攻博士課程修了 学術博士(神戸大学)学位取得 |
1982年4月 | 神戸大学工学部助手 |
1991年5月 | 京都工芸繊維大学工芸学部助教授 |
2003年10月 | 京都工芸繊維大学工芸学部教授 |
2015年4月 | 京都工芸繊維大学情報工学・人間科学系教授 |
本会関係
1998~99年度 | 会誌編集委員会委員 |
2004~05年度 | 知能工学部会主査 |
2006年度 | 理事,部門協議会副議長 |
2007年度 | 常務理事,部門協議会議長 |
2007~08年度 | ニューラルネットワーク部会主査 |
2007年度~ | 英文論文誌Associate Editor |
2008年度 | SSI2008企画委員会委員長 |
2009年度 | 関西支部支部長 |
2009年度 | 部門連携・活性化専門委員会委員長 |
2010年度 | システム・情報部門部門長 |
2010~12年度 | 評議員 |
2011~15年度 | 先端融合システムズアプローチ創出委員会委員長 |
2012~14年度 | システム・情報部門将来構想委員会委員長 |
2013~16年度 | 代議員 |
さんぺい みつじ
三 平 満 司 君 (正会員)
本邦における非線形制御理論の先駆的研究者であり,本会論文集等に多数の重要な論文を発表し当該分野を推進してきた.特に時間軸変換を用いたシステムの解析・設計,原点に特異点を持つ双線形システムに対する最適制御理論など,新たな視点からの非線形システムの解析・設計手法を提案している.学会活動としては,本会のSICE Annual Conference (SICE 2011)や,IEEE CSSのConference on Control Applications (CCA 2010), Conference on Desition and Control (CDC 2015)のIPC Chairを歴任するなど,精力的に活動している.本会では長年にわたり制御部門主催の講習会で講師をつとめ,制御理論の教育啓発,産業界への普及に多大な貢献をしてきた.また本会の管理運営においても総務理事,評議員,監事,制御部門長等の重職を歴任するなど,その功績はきわめて大きい.
略 歴
1983年3月 | 東京工業大学工学部制御工学科 卒業 |
1985年3月 | 東京工業大学大学院理工学研究科制御工学専攻修士課程 修了 |
1987年3月 | 東京工業大学大学院理工学研究科制御工学専攻博士課程 修了 工学博士 |
1987年4月 | 千葉大学工学部助手 |
1991年4月 | 千葉大学工学部助教授 |
1993年5月 | 東京工業大学工学部助教授 |
1994年6月 | 東京工業大学情報理工学研究科助教授 |
2000年4月 | 東京工業大学理工学研究科教授 |
2016年4月 | 東京工業大学工学院教授 |
本会関係
1982年 | 本会入会 |
2000~10年 | SICEセミナー現代制御理論入門 講師 |
2007~08年度 | 総務理事 |
2009年度~現在 | IFAC委員会委員長 |
2010年度 | 評議員 |
2011年度 | SICE Annual Conference 2011, IPC Chair |
2012年度 | 制御部門制御理論部会主査 |
2013~14年度 | 監事 |
2015年度 | 制御部門長 |
2015~16年度 | 代議員 |
そのほか,会誌編集委員会,論文集委員会,学会賞委員会,国際委員会,企画委員会,支部協議会,会員広報委員会,候補者推薦委員会,Annual Conf.Steering Comm.,技術史委員会,50周年記念事業委員会,フェロー推薦委員会,役員候補推薦委員会,倫理委員会などの委員を歴任
てい りつ
鄭 立 君 (正会員)
計測制御通信技術の研究・開発に従事し,特に近年IoT/M2Mの無線センサネットワーク技術の日本での普及に非常に貢献した.SICE学会活動では,産業応用部門の「計測制御ネットワーク部会」の立上げに貢献し,2013年度には産業応用部門長として,学会活動の活性化に尽力した.会誌編集委員会委員を2度担当し,「計測制御ネットワークの標準化」と「無線通信技術」の特集をそれぞれ企画した.工業ソフトウェア標準化技術OPCの解説本の出版により本会の学会賞(著述賞)を受賞した.「計測と制御」など解説記事の掲載,多くのセミナーや講演会の講演,「ZigBee開発ハンドブック」など6冊技術解説書の執筆,計測制御通信技術の啓蒙に大きく貢献した.日本電気計測器工業会(JEMIMA)工業用無線技術調査研究WG主査.神奈川県ロボット特区高度専門コーディネータ.
略 歴
1977年6月 | 中国天津軽工業化学工学科卒業 |
1980年5月 | 中国ハルビン工業大学精密工学学科修士号取得 |
1980年6月 | 北京計量研究所エンジニア |
1986年10月 | 日本東北大学大学院工学研究科 |
1989年8月 | 工学博士学位取得(日本東北大学) |
1990年7月 | 山武ハネウエル(現アズビル(株))入社,主席研究員 |
2014年5月 | (株)チノー入社,技術顧問 |
本会関係
2002年8月 | 学会賞(著述賞)受賞 |
2001~02年度 | 産業応用部門計測制御ネットワーク部会初任主査 |
2004~05年度 | 会誌編集委員会委員 |
2008~09年度 | 会誌編集委員会委員 |
2013年度 | 産業応用部門長 |
2013~14年度 | 学会賞委員 |
2016~17年度 | 計測自動制御学会論文集Associate Editor |
なかうち やすし
中 内 靖 君 (正会員)
センサネットワークシステムを実践しSI部門空間知部会の創設に貢献するとともに多数の学術論文として成果が発表されておりその学術的功績は顕著である.研究活動においては計測自動制御学会論文誌への投稿や,学術講演会への発表などで優秀な実績を有し,開発活動においては特許を取得するとともに,自ら起業し製品開発を行っている.教育啓発活動においては会議運営を行うとともに,管理運営活動においては総務理事,SI部門長を務めるなど,本会における貢献は顕著である.
略 歴
1988年3月 | 慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業 |
1990年3月 | 慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程電気工学専攻修了 |
1993年3月 | 慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程計算機科学専攻修了,博士(工学) |
1993年4月 | 防衛大学校助手機械工学教室 |
1994年10月 | 防衛大学校講師機械工学教室 |
1998年4月 | 防衛大学校助教授機械工学教室 |
1998年8月~99年10月 | カーネギーメロン大学客員研究員 |
2003年4月 | 筑波大学機能工学系助教授 |
2014年1月 | 筑波大学大学院システム情報工学研究科教授 |
2014年6月 | (株)空間知能化研究所代表取締役(兼務) |
2016年2月 | (株)空間知能化研究所取締役会長(兼務) 現在に至る |
本会関係
2000年度 | 第6回ロボティクスシンポジア実行委員長 |
2004年度~ | SI部門運営委員会委員 |
2004年度 | SI部門学術講演会プログラム委員長 |
2005~06年度 | 論文集委員会委員 |
2008~09年度 | SI部門共創システム部会主査 |
2010年度~ | IROS Steering Committee, Secretary |
2010~11年度 | 総務理事 |
2010~14年度 | ロボティクスシンポジア運営委員会委員長 |
2012~13年度 | SI部門副部門長 |
2012~13年度 | SI部門表彰委員会委員長 |
2013年度 | 選挙管理委員会委員長 |
2013年度 | SII2013プログラム委員会委員長 |
2014~15年度 | SI部門部門長 |
2016年度 | SICE2016実行委員長 |
みやさと よしひこ
宮 里 義 彦 君 (正会員)
適応制御設計に関わる理論的研究,とりわけ分布定数系や非線形系に対する適応制御系の設計に卓越した研究業績を残すと共に,IFACのTechnical Committee on Adaptive and Learning Systemsの委員,ならびにAsian Journal of ControlやAutomaticaのAssociate Editorも務め,国内外における当該研究分野を終始リードしてきた.また,本会論文賞を3度受賞しており,その研究成果は高く評価されている.さらに,教育啓発活動における秀でた実績,ならびに永年にわたる学会運営活動は,本会の活性化に大きく寄与するものでありその功績はきわめて顕著である.
略 歴
1979年3月 | 東京大学工学部計数工学科卒業 |
1981年3月 | 東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了 |
1984年3月 | 東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了 東京大学工学博士 |
1984年4月 | 東京大学工学部助手 |
1985年4月 | 千葉工業大学機械工学科助手 |
1987年7月 | 文部省統計数理研究所助教授 |
1988年10月 | 総合研究大学院大学数物科学研究科統計科学専攻助教授(併任) |
2008年4月 | 情報・システム研究機構統計数理研究所教授 総合研究大学院大学複合科学研究科統計科学専攻教授(併任) |
2015年4月 | 総合研究大学院大学複合科学研究科統計科学専攻専攻長 現在に至る |
本会関係
1984~85年度,1993~95年度,2000~01年度 | 論文集委員会委員 |
1995~96年度,2005~20年度,2011~12年度 | 学会賞委員会委員 |
1998~99年度 | 会誌編集員会委員 |
2003~04年度 | 国際委員会委員 |
2003年度 | 制御部門・制御理論部会副主査 |
2004年度 | 制御部門・制御理論部会主査 |
2004~05年度 | 理事(論文集担当) |
2004年度 | 論文集委員会副委員長 |
2005年度 | 論文集委員会委員長 |
2006~12年度 | 評議員(代議員) |
2007~11年度 | JCMSI準備委員会委員,編集委員会委員,Editor |
2012~15年度 | 和文論文集編集委員会委員,Editor |
よしみ たかし
吉 見 卓 君 (正会員)
ロボットアームによる作業実現の研究開発,特に,グラインダ作業ロボットや保守点検作業ロボットなどを対象に,力制御やタスクプランニング技術を応用した実用的な技能作業の実現とシステム構築手法の提案,およびその実証研究に,長年,民間企業および大学において精力的に取り組み,多くの成果を上げてきた.一方,SICE内では,SI部門での活動を通して当該分野の活性化に取り組むとともに,AC担当理事等を務め,ACの発展およびSICEの国際化に取り組んできた.特に,SICE2015の中国開催に大きく関わり,その成功に向けた尽力により,SICEの国際化に大きく貢献した.
略 歴
1985年3月 | 大阪大学基礎工学部機械工学科卒業 |
1987年3月 | 大阪大学大学院基礎工学研究科博士(前期)課程修了 |
1987年4月 | (株)東芝総合研究所研究員 |
1994年4月 | (株)東芝研究開発センター研究主務 |
1997年4月 | (株)東芝京浜事業所機器装置設計主務 |
1999年4月 | 日本原子力研究所東海研究所外来研究員(現職出向) |
2000年9月 | 大阪大学大学院基礎工学研究科博士(後期)課程修了,博士(工学) |
2001年4月 | (株)東芝研究開発センター研究主務 |
2003年4月 | (株)東芝研究開発センター主任研究員 |
2009年4月 | 芝浦工業大学工学部電気電子学群電気工学科教授,現在に至る |
本会関係
2002~03年度 | SI部門運営委員,SI部門表彰委員会幹事 |
2004年度 | SI部門運営委員,SI部門表彰委員会副委員長 |
2004年12月 | SI部門技術業績賞受賞 |
2005~06年度 | SI部門運営委員,SI部門自動化システム部会主査 |
2009年度 |
SI2009実行副委員長 |
2009~10年度 | SI部門運営委員,SI部門国際委員長 |
2011~12年度 | Annual Conference担当理事,AC委員会委員長 |
2011~12年度 | 国際委員会委員 |
2014~15年度 | CCC&SICE2015実行委員(Exhibition Chair) |
2015年度 | 表彰委員会副委員長,AC Award選考委員長 |
ら しい
羅 志 偉 君 (正会員)
環境適応ロボットシステムの制御,バイオミメティックシステム制御,健康・介護・福祉用ロボットシステムなどの学術研究分野で顕著な成果を上げてきた.また,世界初の人間を抱き上げるロボットRI-MANに関する先駆的な研究開発にリーダーシップを発揮し,成功を導いた.本学会主催のシンポジウム,講習会,講演会とOSについて多数企画され,SICE2010表彰委員長,IEEE/SICE SII2013実行委員長,SICE/CCC2015 OS委員長などの要職を歴任し,本学会の運営と国際化に大きく貢献している.
略 歴
1984年7月 | 中国 華中工学院自動制御と計算機学部工業自動化学科卒業 |
1984年7月 | 中国 蘇州大学教員 |
1986年10月 | 愛知工業大学客員研究員 |
1991年3月 | 名古屋大学大学院工学研究科博士課程前期課程情報工学専攻修了 |
1992年3月 | 名古屋大学大学院工学研究科博士課程後期課程情報工学専攻修了,博士(工学) |
1992年4月 | 豊橋技術科学大学助手 |
1994年4月 | 理化学研究所フロンティア研究員 |
1999年4月 | 山形大学工学部助教授 |
2001年10月 | 理化学研究所環境適応ロボットシステム研究チーム チームリーダー |
2006年4月 | 神戸大学教授,現在に至る |
2010年4月 | 神戸大学評議員 神戸大学大学院システム情報学研究科副研究科長 |
本会関係
1989年度 | 学術奨励賞 受賞 |
1998~99年度,2002~04年度 | 中部支部理事 |
2005年度 | SI2005優秀講演賞3件 受賞 |
2006年度 | 優秀講演賞2件 受賞 |
2010年度 | SICE2010 Award & Support Chair |
2013~15年度 | SI部門委員 |
2013年 | SII2013実行委員長 |
2014年度 | SI部門貢献表彰 |
2015年 | SICE2015 OS委員長 |