「論文塾」開催のご案内
主 催・企 画
論文集委員会 制御部門
SICE 論文集委員会,制御部門・事業委員会は,好評をいただいております,質の高い論文執筆について学べる「論文塾」を今年も企画することにいたしました.
「論文塾」では,論文作成について深い知見と経験をおもちの3人の講師の先生から,和文および英文で論文を執筆する場合の総合的な内容,学と産との比較,知財を維持しながら論文をまとめるための視点などについての講演を予定しています.
どなたでも参加できますが,これから論文執筆や口頭発表をめざす若手研究者や,企業の研究者,技術者の方にとって,特に有意義です.ふるって参加されるようお願いいたします.
【論文塾】
講 師
池田雅夫 君(大阪大学),川邊武俊 君(九州大学),中川繁政 君(新日鉄住金)
司 会
浅井 徹君(名古屋大学)
日 時
2016年9月20日(火) 10時00分~13時00分
会 場
講演内容
1. 10:00~11:00
題 目:論文の書き方-読む人の視点に立つこと
講演者:池田雅夫 君
概 要:論文だけでなく,教科書,解説記事,競争的研究資金の申請書等にも通じることであるが,読者を意識して書くことが必要である.どういう人が読者かを想定し,その人たちに,「なるほど」,「そういうことだったのか」,「面白い」などと感じさせることが大事である.この意味で,論文は小説と同じである.論文の場合,読者の第1は査読者であり,ここを通過しない限りは論文になり得ない.批判的な視点で論旨と結果を見る査読者を満足させることが必要となる.つぎの読者は,専門を同じくする人たちであり,その人たちの興味を引くことが必要である.論文塾では,このような認識のもとで,論文の書き方を論じる.
2. 11:00~12:00
題 目:企業若手エンジニアのための論文作成のポイント
講演者:中川繁政 君
概 要:産業界の企業エンジニアにとって,論文投稿は敷居が高く思われており,SICE論文集への投稿数も掲載数も多くない.本講では,企業若手エンジニアを主たる対象として,自身の経験も踏まえながら,産業分野における論文作成のためのポイントについて述べる.また,企業ノウハウと外部技術開示の境界や,エンジニアにとっての論文執筆の動機付け,産業分野の論文の価値などについて,企業エンジニアの立場および論文集の元委員長として論文集に係わってきた経験をもとに述べる.
3. 12:00~13:00
題 目:企業人が書く論文
講演者:川邊武俊 君
概 要:企業のエンジニアが書く文章で代表的なものは,特許と技術報告書とであろう.職種によっては仕様書や取扱説明書などが含まれるかもしれない.みな重要な知的財産である.学会へ投稿する学術論文はどうであろうか.権利化されるわけではなく,公開されてしまっては企業独自のノウハウにもならない.一見,企業には価値のない文書のようである.本当にそうなのであろうか? 論文を投稿し,査読を受ければ,技術に客観性,論理性が問われる.したがって,技術は再整理され,磨かれ,つぎの技術に発展する可能性がある.企業人が論文を書くことの価値や企業人にしか書けない論文の書き方を考えてみる.
募集人員
60名(定員になり次第,締切らせていただきます.)
参加費
2,000円
参加申込方法
学会ホームページのSICE部門行事申込CGIからお願いします.
申込締切
2016年9月13日(火)
申込・問合せ先
〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28-303
公益社団法人 計測自動制御学会
知財・事業グループ 論文集担当
電話(03)3814-4121, FAX(03)3814-4699
E-mail:trans@sice.or.jp
講師紹介
いけだ まさお
池田 雅夫 君(名誉会員,フェロー)
1971年大阪大学大学院工学研究科通信工学専攻修士課程修了,73年同博士課程を中途退学.同年神戸大学工学部システム工学科助手,90年同教授.95年大阪大学に移り,工学研究科機械工学専攻教授,2010年名誉教授.制御理論とその応用の教育と研究に従事.現在,大阪大学経営企画オフィス副オフィス長/シニア・リサーチ・マネージャー.一時,大阪大学副学長(URA担当)を兼務.工学博士.IEEE Life Fellow,日本機械学会フェロー,IFAC Fellow,2005年本会会長,2007-11年SICE Journal of Control, Measurement, and System IntegrationのEditor in Chief.
かわべ たけとし
川邊 武俊 君(正会員)
1981年早稲田大学 理工学部 応用物理学科 卒業.84年早稲田大学大学院 理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 修了.同年日産自動車(株)入社 総合研究所電子情報研究所.92年,93年東京大学大学院 工学系研究科 計数工学専攻大学院研究生.94年東京大学 大学院 工学系研究科 より博士号取得.2005年日産自動車(株)を退社.九州大学 システム情報科学研究院 教授就任.現在に至る.計測制御エンジニア.自動車の制御研究に従事.日本機械学会,電気学会,自動車技術会,IEEEなどの会員.
なかがわ しげまさ
中川 繁政 君(正会員)
1987 年京都大学大学院工学研究科数理工学専攻修士課程修了.同年住友金属工業(株)(現,新日鐵住金(株))に入社.現在,技術開発本部大分技術研究部長兼大分製鐵所上席主幹.2011年奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了.博士(工学).2012年日本鉄鋼協会学術記念賞(白石記念賞),2012年第4回ものづくり日本大賞優秀賞,2013年文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門),2013年日本塑性加工学会学会大賞を受賞.日本鉄鋼協会,日本塑性加工学会の会員.