2014年度計測自動制御学会フェロー紹介
研究・開発・教育啓蒙・管理運営その他の活動を通じて,本会の関与する分野の学問技術の発展に顕著な功績のあった会員を顕彰するために設けられた「フェロー制度」による第27回のフェローが決定し,9月11日,北海道大学(SICE Annual Conference 2014会場)において,小河守正君,金子 真君,佐々木実君,山海嘉之君,橋本浩一君,村上弘記君の6君に称号が授与された.
おがわ もりまさ
小 河 守 正 君 (正会員)
プロセス産業界の技術者として,成果中心の先進的プロジェクトさらには現場密着型プロセス制御問題解決を実践しており,その業績は顕著である.この現場に根差した業務を通して開発実証したプロセス制御に関する実用技術は,多数の論文・報文・本会などの講演会で発表しており,その良質な内容が高く評価されている.本会においては,7年に及ぶプロセス制御専門家養成塾の企画および講師として,若手技術者の育成に貢献している.さらに,本会の発展を期すべく,現場を知る技術者の立場で終始一貫して尽力しており,本会への貢献はきわめて大きい.
略 歴
1966年4月 | 三菱化学(株)(旧三菱化成)水島事業所計装グループ |
1992年7月 | 三菱化学水島事業所生産技術センター |
1996年10月 | 三菱化学技術開発室 |
1997年4月 | 三菱化学鹿島事業所生産技術センター |
2000年3月 | 三菱化学技術開発センター |
2001年5月 | 三菱化学科学技術研究開発センター 三菱化学技術部 |
2005年11月~ | アズビル(株)アドバンスオートメーションカンパニー |
京都大学博士(工学) |
本会関係
1999年 | 論文賞 |
2003年 | 論文賞・武田賞 |
2009年 | 教育貢献賞 |
2011年 | 論文賞 |
2011年 | 技術賞 |
2007年4月~10年3月 | プロセス制御専門家養成塾講師・拡大作業部会委員 |
2010年4月~13年3月 | 続プロセス制御専門家養成塾講師・拡大作業部会委員 |
2013年4月~ | 続々プロセス制御専門家養成塾講師・拡大作業部会委員 |
2014年4月~ | 安全のための計測・制御・システムを考える会 |
かねこ まこと
金 子 真 君 君 (正会員)
高速ビジョンと高速アクチュエータをベースにした革新的な非接触ダイナミックアクティブセンシングシステムを構築し,医療診断,バイオ計測分野に応用し,本会論文賞を計5回受賞している.特に眼圧計測において空気印加時の角膜変形の遅れが眼圧と強い相関をもつことを世界ではじめて明らかにしたり,高速ビジョンを用いた赤血球変形能評価法を提案し,医療診断応用に適用するなど計測分野への貢献はきわめて大きい.また本会ではSI部門において,SI2001プログラム委員長,SI2007実行委員長を務め大会を成功に導くなど,SI部門の活性化に貢献した.
略 歴
1976年3月 | 九州工業大学機械工学科卒業 |
1978年3月 | 東京大学工学系研究科機械工学専門課程修士課程修了 |
1981年3月 | 東京大学工学系研究科機械工学専門課程博士課程修了(工学博士) |
1981年4月 | 通産省工業技術院機械技術研究所(現産総研)入所 |
1990年4月 | 九州工業大学情報工学部機械システム工学科助教授 |
1993年10月 | 広島大学工学部第二類(電気系)教授 |
2006年10月 | 大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻教授,現在に至る |
本会関係
1988~89年度 | ロボット工学部会副主査 |
1999年度 | ロボットシンポジア(SICEを含む3団体共催)実行委員長 |
2003~04年度 | 評議員 |
2001年度 | SI2001プログラム委員会委員長 |
2007年度 | SI2007実行委員長 |
ささき みのる
佐々木 実 君(正会員)
受動性を基にした非線形分布定数系の制御に関する理論の提唱と実証における貢献は顕著であり,SICE SI部門講演会SI2008岐阜実行委員長ならびに2011 IEEE/SICE International Symposium on System Integration Program Chairとして講演論文数を飛躍的に増大させ,SI部門の活性化・活動に貢献した.また,常任理事,支部協議会議長として支部協議会規則の作成など,公益法人化に尽力し,公益法人計測自動制御学会に多大な貢献はきわめて大きい.
略 歴
1980年3月 | 山形大学工学部機械工学科 卒業 |
1982年3月 | 東北大学大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程 修了 |
1985年3月 | 東北大学大学院工学研究科機械工学専攻博士後期課程 修了 |
1985年4月 | 東北大学助手 工学部 |
1988年4月 | 宮城工業高等専門学校助手 |
1990年8月~ 1991年6月 |
文部省在外研究員(米国 カリフォルニア大学ロサンゼルス校電気工学科) |
1989年4月 | 宮城工業高等専門学校講師 |
1992年1月 | 宮城工業高等専門学校助教授 |
1993年4月 | 岐阜大学工学部機械工学科助教授 |
1997年10月~ 98年3月 |
文部省在外研究員(米国 カリフォルニア大学ロサンゼルス校電気工学科並びにジョージア工科大学機械工学科) |
2003年3月 | 岐阜大学工学部人間情報システム工学科教授 現在に至る |
2004年12月~ | 中国武漢理工大学客員教授 |
2009年9月~ 09年11月 |
タイ王国モンクット王技術大学トンブリ校フィールドロボティクス研究所客員教授 |
2011年8月~ | ケニヤ共和国デダンキマチ技術大学客員教授 |
2011年4月~ 12年3月 |
教学担当理事補佐 |
2012年4月~ 14年3月 | 学長補佐 |
本会関係
2007年 | SI2007実行委員会委員 |
2007-08年 | SI部門運営委員会委員 |
2008-10年 | 常任理事 |
2009年12月 | 計測自動制御学会システムインテグレーション部門貢献表彰 |
2008-10年 | 中部支部役員 |
2008年 | 支部協議会副議長 |
2009年 | 支部協議会議長 |
2008年 | SI2008岐阜実行委員長 |
2010年 | 評議員 |
2011年 | 代議員 |
2011年 | IEEE/SICE International Symposium on System Integration Program Chair |
2012年12月 | 計測自動制御学会システムインテグレーション部門貢献表彰 |
さんかい よしゆき
山 海 嘉 之 君(正会員)
計測・制御・SI(システムインテグレーション)を中核とした新学術領域【サイバニクス:人・機械・情報系の融合複合】を創成し,脳・神経・筋系の機能改善を可能とする世界初のサイボーグ型ロボットの研究開発を通じて,基礎研究開発・大学発ベンチャー企業設立・株式上場・国際標準化・未来開拓型人材育成を一体的に実施・実現してきた.また,計測自動制御学会/SI2004大会長および関連委員の歴任の後,グローバルCOE,FIRST,ImPACTを統括・推進し,国内外の科学技術振興や教育研究活動,新分野開拓,社会実装など計測・制御・SIの発展に関して重要な役割を果たしてきた.これらを通しての本会への貢献は極めて大きい.
略 歴
1985年4月 | 日本学術振興会 特別研究員 |
1987年3月 | 筑波大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士) |
1987年4月 | 筑波大学 構造工学系 助手 |
1989年3月 | 筑波大学 構造工学系 講師 |
1998年6月 | 米国Baylor医科大学 客員教授 |
1999年4月 | 筑波大学 機能工学系 講師 |
2000年1月 | 筑波大学 機能工学系 助教授 |
2003年7月 | 筑波大学大学院 システム情報工学研究科 教授 |
2004年6月 | CYBERDYNE株式会社 創設者/CEO |
2007年6月 | グローバルCOE:サイバニクス国際教育研究拠点拠点リーダー |
2009年9月 | 内閣府最先端研究開発支援プログラムFIRST 研究統括 |
2011年10月 | 筑波大学 サイバニクス研究センター センター長 |
2014年6月 | 内閣府革新的研究開発推進プログラム ImPACT プログラムマネージャー |
本会関係
1992年 | 計測・制御・SIに関する学術発表多数 |
1994年 | 制御工学教員協議会 会員 (現在に至る) |
1995年 | 制御工学教員協議会 幹事 |
2004年 | システムインテグレーション(SI)部門講演会実行委員長 SI2004 ベストセッション講演賞受賞 SI部門 運営委員 |
2005年 | アドバイザリー委員会 委員 SI2005 ベストセッション講演賞受賞 |
2006年 | SI部門 部門技術業績賞 |
はしもと こういち
橋 本 浩 一 君(正会員)
学術面においては,コンピュータビジョンとロボティクスをシームレスに結合する「ビジュアルサーボ」の分野を開拓し,近年の産業用ロボットにおけるブレイクスルーの基盤を確立した.技術面では高速ビジョンシステムの応用,生物・細胞画像処理,顕微鏡ロボティクスにおける先進的なシステム開発において顕著な業績を上げている.多数の解説論文,著書を執筆しており,講習会講師などの貢献も行っている.本会に対しては,理事,支部長,部会主査などを歴任し,また,SI部門大会実行委員長,制御部門大会実行委員長などを務めている.これらの活動を通して,本会への貢献はきわめて大きい.
略 歴
1990年3月 | 大阪大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士) |
1990年4月 | 大阪大学工学部助手 |
1994年4月 | 岡山大学工学部講師 |
1997年4月 | 岡山大学工学部助教授 |
2000年9月 | 東京大学工学部助教授 |
2002年9月~09年3月 | JSTさきがけ研究員・SORST研究員兼務 |
2004年4月 | 東北大学大学院情報科学研究科教授 |
本会関係
2004年2月~06年12月 | ロボティクス部会主査 |
2002年3月~03年3月 | 論文誌編集企画委員 |
2005年6月 | 制御部門大会実行委員長 |
2010年1月~12年12月 | 東北支部長 |
2010年12月 | SI部門大会実行委員長 |
2012年2月~14年2月 | 理事(部門協議会議長・副議長) |
2012年3月~13年2月 | 社会的課題抽出・展開専門委員会委員 |
むらかみ ひろき
村 上 弘 記 君(正会員)
産業界において,ロボットの先進的な制御技術を利用した新しいシステム開発に長年従事している.特に力制御技術を応用したシステム開発に取り組み,大型のトンネル用セグメント組み立てロボットや精密な仕上げロボットなどを実用化するなど,制御技術の実用化に貢献した.また,本会を含む学会,日本ロボット工業会などの新しいロボット産業の発展に向けての活動に精力的に取り組んできた.本会においては,公益社団法人化に伴う運営,改革に各種委員会活動において取り組むとともに,システムインテグレーション部門の運営を通してシステムインテグレーション技術の普及に努めるなど,本会への貢献はきわめて大きい.
略 歴
1985年3月 | 京都大学工学部精密工学科卒業 |
1987年3月 | 京都大学大学院工学研究科精密工学専攻 修士課程修了 |
1987年4月 | 石川島播磨重工業(株)(現(株)IHI)入社 現在に至る |
2004年4月 | 芝浦工業大学大学院連携大学院 客員助教授(現准教授)併任 現在に至る |
2010年4月 | 大阪電気通信大学大学院 客員教授併任(2013年3月まで) |
本会関係
2000年~05年 | 評議員 |
2004年~05年 | 論文集編集委員 |
2007年~08年 | 会誌編集委員 |
2009年~10年 | システムインテグレーション部門自動化システム部会主 査 |
2010年~11年 | 理事(会誌担当) 50周年記念号編集 |
2010年~11年 | システムインテグレーション部門副部門長 |
2012年~13年 | システムインテグレーション部門長 |