2013年度計測自動制御学会フェロー紹介
研究・開発・教育啓蒙・管理運営その他の活動を通じて,本会の関与する分野の学問技術の発展に顕著な功績のあった会員を顕彰するために設けられた「フェロー制度」による第26回のフェローが決定し,9月16日,名古屋大学(SICE Annual Conference 2013会場)において,足立修一君,大須賀公一君,川田誠一君,木田 隆君,神徳徹雄君,佐伯正美君,曽禰寛純君,藤田政之君,松野文俊君,渡辺桂吾君の10君に称号が授与された.
あだち しゅういち
足 立 修 一 君 (正会員)
制御部門において技術活動で活躍するとともに,研究活動を通じて制御技術の発展と普及への貢献は顕著である.SICEの運営面においては,会誌編集担当理事として学会誌の内容を充実させ,また制御部門長として部門の活性化に貢献した.和文論文集(制御分野)のエディタとしても,論文集のエディタ制導入において貢献した.さらに若手研究者の育成においても,宇都宮大学および慶應義塾大学において教育研究活動を積極的に行うとともに, SICEセミナー「制御のためのシステム同定」講師を15年以上にわたって務めてきた業績は顕著である.これらを通しての本会への貢献はきわめて大きい.
略 歴
1981年3月 | 慶應義塾大学工学部電気工学科卒業 |
1986年3月 | 慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程電気工学専攻修了(工学博士) |
1986年4月 | (株)東芝 総合研究所エネルギー機器研究所 |
1990年8月 | 宇都宮大学工学部電気電子工学科助教授 |
1993年10月~96年3月 | 航空宇宙技術研究所客員研究官 |
2002年3月 | 宇都宮大学工学部電気電子工学科教授 |
2003年3月~04年1月 | 英国ケンブリッジ大学工学部制御グループ客員研究員 |
2006年4月 | 慶應義塾大学理工学部物理情報工学科教授,現在に至る |
本会関係
1990~91年度,1999~2000年度 | 論文集編集委員 |
1994~95年度 | ロバスト制御研究会幹事 |
1995~96年度,1999~2000年度 | 制御理論部会運営委員 |
1995~2012年度 | セミナー「制御のためのシステム同定」講師 |
1996~97年度 | 事業委員会制御小委員会主査 |
1996~97年度 | 部会・研究会委員 |
1999年 | Dynamical Systems Theory シンポジウム実行委員長 |
2000年~ | 制御技術部会運営委員 |
2001~02年度 | 常務理事 |
2001~02年度 | 会誌編集委員会委員長 |
2001~02年度 | 広報委員 |
2004~09年度 | 評議員 |
2007年度 | 制御理論部会主査 |
2008~11年度 | 技術史委員会委員 |
2010年度 | 制御部門長 |
2010年度~ | 代議員 |
2012年度~ | 和文論文集制御分野エディタ |
おおすか こういち
大須賀 公 一 君 (正会員)
学術面においては制御対象のダイナミクスを活かした制御の考え方「ダイナミクスベースト制御」を提唱し,技術面ではレスキューロボットの研究開発において顕著な業績が認められる.多数の解説・著書を執筆しており,講習会の講師なども多数行うなど,教育・啓発活動に対する貢献も大きい.本会に対しては,複数の部会主査や理事などを歴任,SICE初めての海外単独開催である SICE Annual Conference 2010 in Taiwan の実行委員長を務めるなど,本会への貢献はきわめて大きい.
略 歴
1984年 3月 | 大阪大学 大学院基礎工学研究科 修士課程修了(制御工学) |
1984年 4月 | (株)東芝入社,総合研究所入所 |
1986年10月 | 大阪府立大学 工学部 機械工学科 助手 |
1992年 4 月 | 同大学 講師を経て助教授 |
1998年 5月 | 京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻助教授 |
2003年12月 | 神戸大学工学部機械工学科教授 |
2009年 4月 | 大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻.現在に至る |
本会関係
1999年2月~2001年12月 | ロボット工学部会副主査・主査 |
1999年6月~2002年 5月 | 都市防災システム部会委員 |
2003年2月~04年 2月 | SI部門部門大会プログラム委員会委員長 |
2005年2月~06年2月 | 将来ビジョン担当理事 |
2005年2月~06年2月 | 部門協議会副議長 |
2009年8月~11年2月 | SICE Anual Conference 2010 General Chair |
かわた せいいち
川 田 誠 一 君(正会員)
制御システムのモデリング,シミュレーション,非線形制御などの研究を通じて鉄鋼プロセス,ファインケミカルなど制御理論の実用化において顕著な業績が認められる.また,IMSなどの国際プログラムに参加し,ハイブリッドシミュレータの先駆的研究として場面遷移ネット(STN)を開発し,生産システムの最適化問題の解決に多大なる成果を挙げてきた業績は顕著である.本会の運営においても,離散事象システム部会主査,理事,評議員,代議員などを務めており,本会への貢献はきわめて大きい.
略 歴
1977年3月 | 大阪大学工学部産業機械工学科卒業 |
1979年3月 | 大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程修了 |
1982年3月 | 大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻博士後期課程単位取得退学 |
1982年4月 | 大阪大学工学部産業機械工学科助手 |
1983年3月 | 工学博士(大阪大学)学位取得 |
1986年4月 | 東京都立大学工学部機械工学科助手 |
1990年4月 | 東京都立大学工学部機械工学科助教授 |
2001年4月 | 東京都立大学大学院工学研究科機械工学専攻教授 |
2005年4月 | 首都大学東京システムデザイン学部教授 |
2006年4月 | 産業技術大学院大学産業技術研究科研究科長・教授.現在に至る |
本会関係
2001~03年度 | 離散事象システム部会主査 |
2005~07年度 | 理事 |
2007~12年度 | 会員・広報委員会委員 |
2006~11年度 | 評議員 |
2010~12年度 | 倫理委員会委員 |
2011年~ | 代議員 |
きだ たかし
木 田 隆 君(正会員)
宇宙開発において重要な研究課題である大型柔軟人工衛星のロバスト制御系設計に関する基礎研究とそれらの軌道上での実証試験を一貫して行い,宇宙工学における制御技術の発展と実用化に関して成果をあげてきた.また,解説論文・講習会講師などを通して本学会の教育・啓発活動に貢献した.さらに,調査研究会主査・制御部門長・会誌編集委員長などを務め本学会の運営にも尽力した.
略 歴
1973年3月 | 東京大学工学部計数工学科卒業 |
1973年4月 | 科学技術庁航空宇宙技術研究所(現JAXA)研究員 |
1980年11月~81年8月 | 米国パデュー大学航空宇宙工学科客員研究員 |
1984年 4月 | 航空宇宙技術研究所宇宙研究グループ主任研究官 |
1996年10月 | 電気通信大学教授,現在に至る |
本会関係
1989~90年度 | 論文集編集委員 |
1992~現在 | 誘導制御部会(現 調査研究会)委員 |
1994~95年度 | 会誌編集委員 |
2002~03年度 | 制御理論部会委員 |
2003~04年度 | 常務理事 |
2004年度 | 会誌編集委員長 |
2005年度 | 制御部門アドバンスト誘導制御調査研究会主査 |
2006年度 | 制御部門長 |
2008年度 | 評議員 |
2008年度 | SICE Annual Conferenceプログラム委員長 |
こうとく てつお
神 徳 徹 雄 君(正会員)
仮想空間をベースとした遠隔操作技術,および,ロボット用ソフトウエア技術の共有と再利用を目指したRT(Robot Technology)ミドルウエア技術を先駆的に開発・研究してきた業績は顕著である.また,標準化活動をはじめとして,RTミドルウエアコンテストや各種講習会を実施するなどの技術普及活動を継続的に実施していることは高く評価される.さらに,SI部門長,理事(学会連携及び事業担当)など,本会の運営ならびに部門活動の活性化に精力的に取り組んでおり,本会発展に多大なる貢献が認められる.
略 歴
1986年3月 | 東京大学工学部計数工学科卒業 |
1988年3月 | 東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了 |
1988年4月 | 通商産業省工業技術院 機械技術研究所 |
1996年4月 | 工業技術院研究開発官付(併任1年間) |
2001年4月 | 独立行政法人産業技術総合研究所 知能システム研究部門 |
2007年1月 | 知能システム研究部門 研究グループ長 |
2007年11月 | 筑波大学大学院システム情報工学科教授(連携大学院)兼任 |
本会関係
2002年 | 第3回システムインテグレーション部門講演会 プログラム委員長 |
2003~04年 | 論文集委員会委員 |
2007~08年 | 理事 |
2008年 | 事業委員長 |
2009~10年 | JIS原案作成委員会委員 |
2009年~ | 国際標準化委員会委員 |
2010~11年 | システムインテグレーション部門長 |
2013年4月 | イノベーション推進企画室 統括企画主幹 |
2013年4月 | イノベーションスクール 事務局長 兼任 |
さえき まさみ
佐 伯 正 美 君(正会員)
ロバスト制御系の解析と設計に関する研究に取り組み,ロバストPID制御器のパラメータ空間設計法,入力飽和を有する制御系に対する補償器の設計法,データ駆動設計法などに関する研究で成果をあげてきた.また,本会の理事,評議員,中国支部支部長,制御部門大会実行委員長,論文集編集委員会委員,会誌編集委員会委員などを歴任しており,本会の運営ならびに支部の活性化に貢献した.
略 歴
1976年3月 | 京都大学工学部電気工学科卒業 |
1978年3月 | 京都大学大学院工学研究科修士課程修了 |
1981年3月 | 京都大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学 |
1981年4月 | 京都大学工学部助手 |
1982年12月 | 筑波大学電子・情報工学系講師 |
1987年8月 | 筑波大学電子・情報工学系助教授 |
1992年8月 | 広島大学工学部教授 |
2010年4月 | 広島大学大学院工学研究院教授(改組による) |
本会関係
1993~95年度 | 論文集委員会委員 |
1996~98年度 | 会誌編集委員会委員 |
2003~04年度 | 理事 |
2005~10年度 | 評議員 |
2007~09年 | 中国支部支部長 |
そね ひろずみ
曽 禰 寛 純 君(正会員)
産学界において計測制御システム開発とその応用に携わり,実システムにおける大きな成果は顕著である.また,本会運営においては第48期副会長,第49期会長を歴任し,特に本会を公益法人化に係る貢献は多大である.また,第49期には初の海外単独開催となるアニュアルコンファレンスを台北(台湾)で実施し,成功裏に完了させた.また,本会活動の対外メディアへのPRを強化し,計測制御技術の重要性と,本会の社会的な認知度向上を行った貢献は顕著である.
略 歴
1979年3月 | 東京工業大学工学部修士課程修了 |
1979年4月 | 山武ハネウエル株式会社入社 |
1996年4月 | 工業システム事業部システム開発統括部システムマーケティング部長 |
2003年4月 | 株式会社山武(山武ハネウエルから社名変更)執行理事 アドバンスオートメーションカンパニー エンジニアリング本部長 |
2005年4月 | 執行役員 経営企画部長 |
2008年4月 | 執行役員常務 経営企画部長 |
2009年4月 | 執行役員常務 |
2010年6月 | 取締役執行役員常務 |
2012年4月 | アズビル株式会社(山武から社名変更)代表取締役社長(現任) |
本会関係
1998年~2000年 | 理事(総務担当) |
2006年~ | 計測制御エンジニア会副会長 |
2009年~10年 | 第48期計測自動制御学会副会長 |
2010年~11年 | 第49期計測自動制御学会会長 |
ふじた まさゆき
藤 田 政 之 君(正会員)
SICE制御部門での研究活動で活躍し優れた業績をあげるとともに,教育活動を通じて制御工学の発展と普及に大きな貢献があった.SICEの運営面では,SICE理事,評議員,制御部門長,制御理論部会主査などを歴任し,SICEの発展に大きく貢献した.教育面では長年にわたりSICEセミナー等の講師を務め,2010年には教育貢献賞を受賞している.
略 歴
1984年3月 | 早稲田大学大学院博士前期課程修了 |
1985年3月 | 同博士後期課程中退 |
同年 | 金沢大学助手.同講師,助教授. |
1992年4月 | 北陸先端科学技術大学院大学助教授 |
1999年11月 | 金沢大学教授 |
2005年4月 | 東京工業大学教授 |
2010年 | IEEE MSC General Chair |
2008~11年 | IEEE CSS Board of Governor |
2011年~ | IEEE CSS Vice President |
2012年~ | JST CREST研究総括 |
本会関係
1993年度 | SICE'93 International Sessions Chair |
2005~06年度 | 理事 |
2006年度 | 制御理論部会主査 |
2008~10年度 | JCMSI Editor |
2008~10年度 | 評議員 |
2010年度~ | 代議員 |
2012年度 | 制御部門長 |
まつの ふみとし
松 野 文 俊 君(正会員)
制御部門およびSI部門における研究活動を通じて制御技術・ロボット技術の発展と普及における貢献は多大である.また,3つの調査研究会を立ち上げ,生物の運動知能を力学や制御の立場から解明する研究やレスキューロボットシステムの研究開発を推進してきた.さらには,竸基弘賞を創設し,レスキュー工学に関わる若手研究者の育成および大学生・高校生・小中学生の活動の支援や啓蒙に尽力してきた業績も顕著である.本会の運営においても,国際担当理事としてアニュアルコンファレンスの韓国・台湾における運営,ならびにIEEE/SICE SII2011を実行委員長として開催するなどの貢献はきわめて大きい.
略 歴
1981年3月 | 名古屋工業大学工学部計測工学科 卒業 |
1983年3月 | 大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻 修士課程修了 |
1986年4月 | 大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻 博士課程修了(工学博士) |
1986年6月 | 大阪大学基礎工学部 計算機センターおよび制御工学科 助手 |
1991年10月 | 神戸大学工学部システム工学科専任講師 |
1992年11月 | 神戸大学工学部システム工学科助教授 |
1996年4月 | 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻助教授 |
2003年4月 | 電気通信大学電気通信学部知能機械工学科教授 |
2009年4月 | 京都大学大学院工学研究科機械理工学専攻教授 |
本会関係
2000年度 | 制御部門 機械システム制御調査研究会主査 |
2001~04年度 | 制御部門 力学系・生物系の本質から制御を考える調査研究会主査 |
2002年 | 機械システム制御シンポジウム 実行委員長 |
2005, 06年度 | SI部門レスキュー部会主査 |
2005, 06年度 | 理事 |
2007~11年度 | SICE Annual Conference Steering Committee Chair |
2008年度以降 | 評議員 |
2009年度以降 | SI部門 スワームロボティクス調査研究会主査 |
2011年 | IEEE/SICE Int. Sympo. on System Integration (SII2011) 実行委員長 |
2011年 | SI部門学術講演会(SI2011) 実行委員長 |
わたなべ けいご
渡 辺 桂 吾 君(正会員)
確率システムの推定と制御法の基礎研究,ソフトコンピューティング技術を駆使したロボティクス,メカトロニクス分野のインテリジェント制御およびそのロボット制御への応用研究などを積極的に行ってきた.また,各種講演会を通して関連分野の教育・研究啓発に努めるとともに,本会の理事,部門長,国際委員などを歴任し,本会運営にも大きく貢献した.
略 歴
1976年3月 | 徳島大学工学部機械工学科卒業 |
1978年3月 | 徳島大学大学院工学研究科修士課程(機械工学専攻)修了 |
1978年4月 | 徳島市市役所嘱託研究員 |
1979年4月 | (株)数値解析研究所勤務 |
1980年1月 | 九州大学工学部助手(航空工学科) |
1985年4月 | 静岡大学工業短期大学部助教授 |
1990年4月 | 佐賀大学理工学部助教授(生産機械工学科) |
1993年4月 | 佐賀大学理工学部教授(生産機械工学科) |
1998年4月 | 佐賀大学大学院工学系研究科教授(生体機能システム制御工学専攻) |
2009月 4月 | 岡山大学大学院自然科学研究科教授(産業創成工学専攻),現在に至る |
本会関係
1996年度 | 九州支部学術講演会実行委員長 |
1997年度 | 評議員 |
2003~04年度 | 先端融合部門部門長 |
2003~06年度 | バイオミメティックマシン調査研究会主査 |
2005~06年度 | ニューラルネットワーク部会主査 |
2005~06年度,2008~09年度 | 国際委員会委員 |
2006~08年度 | バイオミメティックマシン部会主査 |
2009年度 | SICE-ICCAS2009共同組織委員長 |
2009~10年度 | 常務理事(支部協議会) |
2011~12年度 | 代議員 |