自律分散サマースクール2020
計測自動制御学会 自律分散システム部会の主催で行っていた創発システム・シンポジウムの後継として、講演を中心としたサマースクールを開催致します。
本サマースクールでは、自律分散システムの分野で活躍されている講演者の方々が、自律分散システムとそこから広がる様々な研究の紹介を講義のような形で行います。本分野で活躍されている先生方だけでなく、本分野に興味を持っている研究者の方々、学生の皆様に自律分散システム分野とその動向などを知って頂く機会になればと考えています。
今回、感染症への対策のためにオンラインでの開催とさせて頂きました。8月末は、コロナへの対応でスケジュールの調整が難しい時期だと思いますが、途中からの参加・途中退室等自由にして頂いて構いませんので、是非興味のある1講演、2講演だけでも参加を検討して頂ければと思います。
(オンライン開催により、参加費を抑えての開催としておりますので、是非気軽にご参加頂ければ幸いです。)
主 催
計測自動制御学会 システム・情報部門
期 日
2020年8月31日(月) 10:00~16:30
開催地
オンラインによる開催
参加費
一般(会員、会員外含む) 3,000円、学生1,500円
参加申し込み〆切
2020年8月24日(月)
(事前参加申し込みを頂いた方に開催URLとパスワードを送らせて頂きます。)
※定員 100名に達し次第、締め切らせて頂きます。
講 演
1:北海道大学 青沼 仁志
【講演題目】動物の多様な振る舞いの源泉を求めて
昆虫は,いまから4億年以上も前に地球上に出現し,様々な環境に適応してきました.そして,今ではおよそ100万種の昆虫が地球上で暮らしています.私たち人間を含めた哺乳類は,地球上に6,000種程度が暮らしているので,地球は昆虫の惑星と言っても過言ではありません.そんな長い進化の歴史を生き残ってきた昆虫には,適応的な行動の基盤となる設計や制御の仕組みが伏在しているに違いありません.昆虫が示す多様な振る舞いの源泉とも言える機能や能力について理解できれば,人工物の設計や制御に応用が可能です.講演では,昆虫の多様な行動を操る脳の仕組み,素晴らしい運動能力を発揮するからくりなどについてお話しします.
2:信州大学 梅舘 拓也
【講演題目】自律分散制御とソフトロボティクスで生物を超えるシステムを作ろう
生物のように柔らかいロボットと作ろうとする「ソフトロボティクス」という学問領域で,非常に面白いトレンドが生まれつつある.それは既存の堅いロボットの価値体系に縛られずに,制御,設計,製造,運用方法を,ゼロから考え直し実践するという試みである.本講演では,そのような潮流の変化を講演者自身の研究も交えながらご紹介する.そして,そのうえで生物システムを超える人工物の設計方法に関して議論したい.
3:大阪大学 清水 正宏
【講演題目】生物の適応能を実装するバイオソフトロボティクス
本研究の目的は、生きている筋細胞を部品とするロボットを構築することで、成長するバイオソフトロボットを実現することである。機械自体が、自己改変する身体的可塑性を有することが大きな特徴である。生物は、自己の運動が機械的な刺激を作り出し、それに細胞が生理学的また物理学的に適応して,形態と機能が、同時発生的に改良される。そこで本計画研究は、生体素材である細胞をロボットのソフトでインテリジェントな部品として直接組みこみ自律分散システムとして実装することで、機械系も制御系も成長する知能ロボットを実現する。
4:東京農工大学 近藤 敏之
【講演題目】人と人工物の相互適応:適応性を高めるインタラクションの科学
人をはじめ無限定環境下で適応的にふるまう生物の脳神経系は構造変化を伴う適応性(adaptability)を有する.本講演では,人とロボットの相互適応実験やロボットを用いた運動学習実験の研究事例をもとに,人間の適応性を高めるインタラクションの特性について考察する.
実行委員長 舩戸徹郎(電気通信大学)
詳 細
問合せ先
開催事務局:電気通信大学 舩戸 徹郎(funato@uec.ac.jp)
学会事務局:部門担当(bumon@sice.or.jp)
TEL:03-3292-0314, FAX:03-3292-3145