2019年度 プラントモデリング部会第1回研究会案内 「機械学習によるプラントモデリングと最適制御の新展開」
主 催
計測自動制御学会制御部門プラントモデリング部会
共 催
自動車技術会自動車制御とモデル研究委員会
研究会主旨
SICE制御部門プラントモデリング部会の研究会は,制御とモデルに係わる研究者と技術者が最先端の研究成果を共有し,活発に議論することを目指しています.モデルベース開発 (MBD) では,プラントモデルは中心的役割を演じています.近年,コンピュータの飛躍的な性能向上と相まって,多種多様なセンサーやデータベースから入手した大量のデータを処理し,データの背後に潜む有用な知識表現,規則,判断基準などを抽出するという機械学習技術もプラントモデリングの分野で注目されています.機械学習技術は,確率統計,最適化など,高度な手法を総合的に駆使しており,有望視されていますが,産業界への応用については,その有用性や問題点などが関心持たれています.そこで,今回は,「機械学習によるプラントモデリングと最適制御の新展開」というと視点で的を絞り,産業界の現場と大学でご活躍されている専門家の方々にご講演をお願い致しました.内容は盛り沢山で,画像の時系列を用いたプラントモデリング,リカレントニューラルネットワークとLSTMによる自動車エンジンのモデリング,強化学習による未知システムの最適制御など,多岐にわたります.参加者と講演者の活発な議論と交流を期待したいと思います.研究会の後に,会場に近い駅の周辺で技術交流会(飲み会)を催す予定ですので,こちらにもぜひご参加いただき,交流を深めていただきたいと思います.
日 時
2019年9月6日(金) 13:30-17:10
場 所
東京都市大学世田谷キャンパス(1号館3階 13J教室) → (2号館 2階 22C教室) 変更になりました
キャンパスマップ
交通アクセス
参加費
無 料(技術交流会は有料)
テーマ
「機械学習によるプラントモデリングと最適制御の新展開」
プログラム
13:30-13:40 開会の辞
13:40-14:40 「LSTMとChirp信号を用いた自動車エンジンの過渡モデリング手法の開発」
株式会社トランストロン 安曽 徳康 氏
14:50-15:50「制御工学者のための強化学習入門」
株式会社富士通研究所 佐々木 智丈 氏
16:00-17:00「ごみ焼却プラントの焼却炉内画像とプロセスデータを用いた深層動的モデルの学習」
奈良先端科学技術大学院大学 松原 崇充 先生
17:00-17:10 閉会の辞
18:00-20:00 技術交流会(参加任意,会場に近い駅の周辺の予定,5000円程度)
参加申し込み
参加ご希望の方は,下記のフォームで以下の連絡先にご連絡ください.
茨城大学 楊 子江
E-mail:shikoh.yoh.zijiang@vc.ibaraki.ac.jp , TEL:0294-38-5205
参加申込書
◆ 研究会に:参加する / 参加しない (どちらか一方を削除下さい)
◆ 技術交流会に:参加する / 参加しない (どちらか一方を削除下さい)
◆ 所属:
◆ お名前:
◆ メール:
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参加申し込み期限
2019年8月30日(金) 先着順(定員100名)
講演概要
13:40-14:40
題目:LSTMとChirp信号を用いた自動車エンジンの過渡モデリング手法の開発
講師:株式会社トランストロン 安曽 徳康 氏
概要:自動車エンジン制御では,燃費や排ガス特性の改善を目的に多数のアクチュエータが装備され,その制御系の複雑化に伴う適合工数の増大が課題となっている.エンジンの過渡的な特性を再現できる数理モデルを効率的に構築することができれば,適合を効率的に行えるモデルベースキャリブレーションや適合箇所の少ないモデルベース制御系の設計に有効活用することができる.本研究では,モデルベースキャリブレーションやモデルベース制御系設計への活用を目的として,過渡特性を再現できるエンジン数理モデルを効率的に構築するために,時間とともに周波数が変化するChirp信号による実験計画とリカレントニューラルネットワークの一種であるLSTM(Long Short-Term Memory)を組み合わせた過渡モデリング手法を提案した.本手法を適用してエンジン吸気系に関する数理モデルを構築し,高い汎化性能をもつことを確認した.
講師略歴:1999年大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了.同年(株)富士通研究所入社.2016年4月より(株)トランストロンに出向.2019年6月(株)富士通研究所に帰任.パワートレイン制御への人工知能の応用に関する研究に従事.
14:50-15:50
題目:制御工学者のための強化学習入門
講師:株式会社富士通研究所 佐々木 智丈 氏
概要:近年の人工知能研究の隆盛の中で,一般的には機械学習の一分野に位置づけられることが多い「強化学習」にも高い関心が集まっている.特に,Atari 2600の様々なゲームを攻略したDQN や囲碁の世界トッププレーヤーたちに勝利したAlphaGoをきっかけとして強化学習に興味を持った方も多いのではないだろうか. 本講演では,制御工学に(ある程度)なじみある方を対象として,そのような方が強化学習を学ぶ足掛かりとなるように,制御工学で標準的な問題設定,概念,手法との関係を明らかにしながら,強化学習の基礎を解説する.
講師略歴: 2010年3月東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻博士課程修了.博士(情報理工学).同専攻システム情報第5 研究室学術支援専門職員を経て2010 年10月(株)富士通研究所入社,2018 年10月より同社シニアリサーチャーとなり現在に至る.マサチューセッツ工科大学およびCenter for Brains, Minds and Machines リサーチアフィリエイト.制御工学,強化学習,深層学習等の研究に従事.計測自動制御学会,システム制御情報学会,電気学会などの会員.
16:00-17:00
題目:ごみ焼却プラントの焼却炉内画像とプロセスデータを用いた深層動的モデルの学習
講師:奈良先端科学技術大学院大学 松原 崇充 先生
概要:本研究では,自動化が推進されているごみ焼却プラントについて,多数のプロセス信号や制御入力, 燃焼炉内画像の時系列データを用いて,ごみ焼却プラントの動的モデルを学習する手法を検討した.カルマン変分オートエンコーダ(Kalman Variational Auto-Encoder: KVAE)をベースに,1)プロセス信号と燃焼炉内画像を同時に扱い,2)ストーカー式燃焼炉における火格子の速い運動とゴミの燃焼状態の遅い運動を分離した学習ができるようにニューラルネットワークの構造を設計した.実プラントデータを用いた実験検証により,提案手法は比較手法と比べて,プロセス信号と燃焼炉内画像の両方に関して高い予測精度を達成することを確認した.
講師略歴:2007年12月奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了.博士(工学).2008年1月より同大情報科学研究科助教,2016年同大准教授.2019年より同大特任准教授(テニュア・トラック教員)および文部科学省卓越研究員.専門はロボット向け機械学習.IEEE, 計測自動制御学会,日本ロボット学会,日本神経回路学会などの会員.
技術交流会
会場:後に決定
時間:18:00-20:00