SICEセミナー 「マルチエージェントシステムの制御: IoT時代の制御理論」
主 催・企画
計測自動制御学会 制御部門
協 賛
システム制御情報学会,自動車技術会,人工知能学会,スケジューリング学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,土木学会,日本音響学会,日本応用数理学会,日本機械学会,日本建築学会,日本航空宇宙学会,日本鉄鋼協会,日本電気計測器工業会,日本知能情報ファジィ学会,日本フルードパワーシステム学会,日本リモートセンシング学会,日本ロボット学会,バイオメカニズム学会,ヒューマンインタフェース学会,プロセス計装制御技術協会,計装研究会(依頼中を含む)
詳細URL
http://www.sice-ctrl.jp/jp/wiki/wiki.cgi/c/semi?page=mas2016
セミナー内容
計算機の小型化・高速化と無線通信の高信頼化により,制御システムをネットワーク化して分散的に制御するようなシステムが近年特に重要性を増している.たとえば,センサネットワークやスマートグリッド,IoTなどがその例として挙げられる.また,近年特に注目されている人工知能においてもネットワークは重要な概念であり,マルチエージェントシステムとして古くから研究がある.それらのシステムをうまく操るためには,制御理論の観点からネットワークの構造を考慮したアプローチが有効である.
そのようなマルチエージェントシステムのための制御理論は最近10年あまりで大きく発展してきているが,大学の講義で教えられることはほとんどなく,また初学者向けのセミナーも日本では開催が稀である.
本セミナーでは,この分野で国際的に活躍している5名の研究者によるリレー講義を行う.マルチエージェントシステムの制御理論に関する研究を今から始めたい学生や初学者やこの分野に興味をもつ他分野の研究者を対象としているが,特に,この制御理論の産業応用を考えている企業開発者にとっても理解が深まるように,理論の概念および基礎知識を講義と演習の形式により学ぶ場を提供する.前提となる知識は,初歩レベルの線形代数と微積分である.古典および現代制御理論の知識があれば望ましいが,セミナーの最初に必要となる知識は解説するので,制御分野以外の方も受講可能である.本セミナーを受講することにより,マルチエージェントシステムの制御に関する最新の論文を読み解き,今すぐ研究・開発をスタートできるレベルまで到達することが目標である.
期 日
2016年9月29日(木),30日(金)
会 場
北陸先端科学技術大学院大学 東京サテライト
〔東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟19階〕
アクセス
JR品川駅から徒歩3分
参考URL http://www.jaist.ac.jp/satellite/sate/access/
講 師
石井 秀明 君(東京工業大学),永原 正章 君(北九州市立大学),林 直樹 君(大阪大学),桜間 一徳 君(鳥取大学),東 俊一 君(京都大学)
講義内容
9月29日(木)(第1日目)
10:25~10:30 本セミナーの趣旨説明(永原)
10:30~11:30 総論(石井)
11:30~12:30 制御理論と線形代数の復習(永原)
昼休憩60分
13:30~15:30 グラフ理論(林)
休憩15分
15:45~17:45 合意制御1(桜間)
9月30日(金)(第2日目)
10:30~12:30 合意制御2(桜間)
昼休憩60分
13:30~15:30 被覆制御(東)
休憩15分
15:45~17:45 分散最適化(永原)
総論(石井)
概要:本講義では,マルチエージェントシステムの総論を提供する.まず,マルチエージェントシステムのさまざまな応用例,たとえば自律移動型ビークル群やセンサネットワークなどを紹介し,こうしたシステムがもつ特徴や課題を考える.エージェントは情報交換を通じて相互作用するが,その結果として得られるネットワーク構造をグラフによってモデル化する方法について説明する.最後に,広く電力システムや複雑ネットワーク科学,分散アルゴリズム等の分野との関連についても触れる.
制御理論と線形代数の復習(永原)
概要:制御理論を専門としない方にも以降の学習に支障がないように制御理論の基礎を講義するとともに,固有値や固有ベクトル,ジョルダン標準形など線形代数の復習を行う.
グラフ理論(林)
概要:マルチエージェントシステムの制御では,エージェント間で情報を共有するための「つながり方」について考えることが重要である.本講義では,エージェント間の「つながり方」を数学的に扱う上で必要となるグラフ理論について紹介する.
合意制御1・2(桜間)
概要:本講義では,マルチエージェントシステムの合意制御について概説する.合意とは,エージェントがネットワーク上で情報を交換しながら状態変数を漸近的に一致させることである.ネットワーク上で得られる情報のみを用いた制御器を分散制御器とよぶ.ここでは,線形な分散制御器を用いた場合に合意が達成されるための条件を,ネットワーク構造を表わすグラフによって特徴付ける.ただし,グラフの頂点はエージェントを辺は情報交換経路を表わす.これによって,合意制御による収束条件をグラフにおける概念と関連づける.
被覆制御(東)
概要:空間上にエージェントを指定された分布で配置する制御のことを被覆制御という.本講義では,まず,被覆制御問題の定式化を紹介する.つぎに,問題を解くにあたって重要な概念となるボロノイ図と勾配系を説明し,被覆制御を実現する方法を示す.
分散最適化(永原)
概要:マルチエージェントシステムの応用として分散最適化の説明を行う.ビッグデータと呼ばれる大規模データの解析やスパースモデリングなどでは大きな規模の最適化問題を実時間で解く必要がある.本講義では,凸最適化の基礎を説明したのち,特にスパースモデリングなどで重要なL1最適化に対する分散最適化について,最新の研究動向も含めてわかりやすく解説する.
定 員
50名(定員になり次第,締め切ります.)
資 料(テキスト)
東,永原,石井,林,桜間,畑中(著):マルチエージェントシステムの制御,コロナ社
参加費(消費税込み)
正会員 | 学生会員 | 会員外 | 賛助会員枠 | |
両日参加 | 20,000円 | 8,000円 | 40,000円 | 8,000円 |
第1日のみ参加 | 10,000円 | 4,000円 | 20,000円 | 4,000円 |
第2日のみ参加 | 10,000円 | 4,000円 | 20,000円 | 4,000円 |
キャンセルポリシーや賛助会員枠などの詳細は上記の詳細URLでご確認ください.
申込締切
2016年9月15日(木)
申込方法
SICE部門行事申込ページからお申し込みください.
問合せ先
北海道大学 大学院 情報科学研究科 小林 孝一
電話(011)706-6452,E-mail : k-kobaya@ssi.ist.hokudai.ac.jp
学会事務局
部門協議会担当係
電話(03)3814-4121,E-mail : bumon@sice.or.jp