主 催

計測自動制御学会 九州支部

協 賛

計装研究会

期 日

2014年8月8日(金)

会 場

福岡ビル貸ホール〔福岡市中央区天神1-11-17〕

交 通

地下鉄天神駅下車徒歩約2分
西鉄福岡(天神)駅下車徒歩約4分

参 加 費

無 料

申込方法

資料準備の都合上,ご参加の場合は問合せ先のメールアドレスへ参加人数をご連絡ください.

問合せ先

佐賀大学 大学院 工学系研究科 機械システム工学専攻
佐藤 和也
TEL: (0952)28-8626
E-mail : sato@me.saga-u.ac.jp

テーマ

自動車設計の最前線

プログラム

総合司会 佐藤和也(佐賀大学)

13:00~13:30 総論 川邊武俊(九州大学)
現在,自動車の研究開発では,安全性と環境性能の向上が重要な課題である.これらの課題解決に向けて,車載センサから得られる車両周辺の情報を利用する運転支援システムの実用化が進みつつあり,高度道路交通システム,自動運転が検討されている.また,純電気自動車やハイブリッド型電気自動車,次世代型の内燃機関の研究開発も活発である.これらの制御系は多くのデバイスを統合的に制御するため,複雑化しており,系統的な制御則設計手法や,従来のCAE環境をさらに発展させ,システムのモデルを高度に援用する開発手法そのものの開発が重要性を帯びている.以上,自動車制御に関する動向を概観する.

13:30~14:40 「HV/PHVの進化と最新動向」 阿部眞一(トヨタ自動車株式会社)
自動車を取り巻くさまざまなパワートレーンの課題,特にCO2排出量削減,エネルギーセキュリティ対応,および大気汚染物質の排出量削減を解決していく必要がある.ハイブリッド車はこれらの課題に対する解決策の一つとなっており,エンジン運転点の最適化,回生ブレーキ によるエネルギー回収,停車時のアイドルストップ,さらには低速/定常走行時におけるEV走行による燃料削減効果により,従来ガソリン車と比べて大幅な燃費向上を実現している.これらのメリットに加え,従来車と変わらないユーザビリティや信頼性の確保,および販売価格の低下に伴い,HVの販売台数は急激に増加している.本講演では,トヨタハイブリッドシステムの燃費改善のメカニズム,初代のプリウスからのHVシステムの進化,PHVの狙いおよびその効果について解説する.

14:50~16:00 「微分代数方程式に基づく非因果的物理モデリングの基礎とモデルベース開発への応用」
平野 豊 (トヨタ自動車株式会社)

物理モデリングの記述法として因果的モデリングと非因果的モデリングの分類について解説し,非因果的モデリングを実現するための技術的基礎理論(演算順序の因果関係解析,代数ループへの対処法,構造的特異性への対処法)について説明する.更に,モデル計算を計算機に実装するための微分代数方程式系の解法の基礎について解説し,計算論的に扱いづらいStiffな系への対処法についても解説する.最後に,非因果的物理モデリングを車両のモデルベース開発に適用した事例を紹介し,適用の際の留意点について述べる.

16:10~17:20 「エンジン制御システムにおける燃焼状態センシング技術」  緒方 健一郎 (日立研究所)
地球環境保全を目的とし,燃費規制および排気規制が厳格化されつつある.このため自動車用ガソリンエンジンにはさらなる高効率,低排気化が求められている.高効率化を可能とする燃焼技術には排気再循環燃焼,希薄燃焼,圧縮着火燃焼などが挙げられるが,いずれも燃焼状態が不安定になり易いために高度な燃焼制御が必要であり,これに伴い燃焼状態センシングも高度化しつつある.
本講演では,エンジン高効率化の一手段である予混合圧縮着火(HCCI: Homogeneous Change Compression Ignition)燃焼システムを題材とし,上記燃焼状態センシングを適用し得られた知見について説明する.

17:20~17:40 質疑応答